第175話 老師の心変わり
「なぜだという顔をしておるな?」
「ええ・・・」
「気付いたのじゃよ・・・
ネズミの奴が持つ「不死の法」じゃ・・・」
「えッ!?
ま・・・まさか・・・」
「そうじゃ。
妄想程度でも、夢をみることはできる・・・
そうして余裕ができると・・・
ワシとファルスの奴に、「光流神波動」らしきものが確認された。
どういうことか、聡いお主なら理解できると踏んだが。」
それは・・・
「かつて、天空の勇者ルミナリアが、「光の側」にいながら「闇の神波動」に覚醒していたことと似た事例ですか?」
「うむ。「逆もまた真なり」じゃ。
あ奴は、幼少の頃父ライテスが、寝物語に聞かせた小説の内容に絶望して、自分の中の「ありきたりな幸せ」を拒絶し、そのことが理由で覚醒したらしい。
奴は、そなたの言うところの「完璧超人」と言う奴じゃ。
なお、自身が「女」として覚醒した際、それを拒絶して自ら性器を焼き潰そうとしたそうじゃ。」
「哀しい人ですね・・・」
「うむ・・・
ゆえにじゃ・・・
日の当たるところにいる者は、そこにいなければならぬと思うのじゃよ・・・」
「力を与えたくないと?」
「そうではない。
今更ながら気付いたのよ。
ライテスやお主ばかりでは、「古代文明」を繰り返すとな・・・」
老師は、印を結ぶ。
「まってください・・・」
「なんじゃ?」
「「不死の法」って・・・「遺伝情報」を超万能細胞に書き込む技術ですか?」
「いかにも。
転生者のお主なら、あっさりとわかろう話じゃからな。
あの戦いの時・・・
あやつ・・・
あっさりと、ワシの衛星を破壊しおった。
そして・・・
ネズミと二号は、自覚こそしていないが幸せそうにしておる。
この話・・・
頼むぞ。」
言うと、老師は空間転移で去っていった。
どうしたものだろうか・・・
ルミナリアの話が気になったら、「ハイブリッド・ブレイバーズ」を参照にしてください。




