第171話 生物画
「ぐわあああ!」
人食い熊が、ユニィに襲いかかった。
しかし・・・
「私に傷を一つでもつけたら、塵すら残さないの!」
熊は、びくっとなる。
ユニィは、スケッチブックを取り出す。
「これから、あなたをモデルに絵を描くの。」
ユニィはシャーペンで、デッサンを始める。
「なるほど・・・こんなぐあいで・・・」
やがて、見事な鉛筆画が描きあがる。
熊は、そ~っとスケッチブックを覗き込む。
「・・・・・・」
見事だ。
「熊さん・・・いつまで、「捕食者」でいる気なの?
この前なんか、アリアさんがあなたたちの仲間を、三頭仕留めてお店で料理にして出してたの!
「獲物」になりさがってるくせに生意気なの!」
そう・・・
今や、キティルハルムに生息する熊は、王立学校の中学年くらいなら「楽勝」の部類に入る格好の「狩りの獲物」だ。
「なに?
その「そんなこと言ったって・・・」って言う目は・・・」
後は、三方向から写真機撮影機で写真を撮る。
「これで、画が描けるの。
はい、ご褒美。」
ユニィは、「ユニィ・シロップ」の瓶を取り出すと、熊に渡す。
熊は、恐る恐る受け取る。
「じゃあ、狩りに来る人猫は襲わないほうがいいの。
絶対に・・・」
「!!!」
「返り討ちにされて、熊鍋にされちゃうの。」
言うと、ユニィはすたすたと歩いて帰って行った・・・
「・・・・・・」
熊は思った・・・
-人猫だけは襲わないようにしよう・・・-
瓶を開けて、「ユニィ・シロップ」を舐める。
甘かった・・・
ユニィ作の「生物画」は、物凄くリアルだった・・・
これがホントの「生物画」です・・・
「彼」は後々、関わってきます・・・




