第168話 仕事納め3 ナルシスト?
ぱんぱん!
ナキは、「これノミ」に祈りを捧げる。
「う・・・うーむ・・・」
アニス・ニナに描いてもらった三面図を見る。
「あちし・・・そんなに美人じゃないにゃ・・・」
ミケランジェロ一族の女性は、「美形」には程遠い。
どちらかというと、「愛嬌」のある、「可愛い」というタイプだ。
しかし、一流の画家の描いたデザイン画・・・
これだけでも、数万ノワールはしそうだ。
「自画像を描いている画家は、いくらでもいるにゃ・・・」
特に、親友の←笑うなそこ!
ミリアムも、王太子時代に自画像を描いている。
もっとも、描いているところを観察していたら、母アリシアが乱入して、引きずられて帰ってきたが・・・
ナキの目の前には、自分の身長ほどのクリスタルの円柱がある。
「燃えるにゃ!あちしの神波動よ!奇跡を起こすにゃ!」←起きない。
電動ドリルを手にして、円柱に向き合う。
「まずは・・・」
円柱に、油性ペンで大まかなデッサンを描いていく。
「こんな感じにゃ・・・」
次に、電動ドリルで、荒削りに入る。
時間とともに、形が出来上がっていく。
やがて、人猫らしくなっていく・・・
「うむ・・・」
ドリル刃を細いものに替え、細部にいたるまで切削していく。
そして・・・
そこには、評議員のローブと評議員杖を右手に持ったナキのクリスタル像があった。
「う・・・美しいにゃ・・・
あ・・・あちし・・・
美しいにゃ・・・!」
「作品名・彫刻家ナキ・ミケランジェロ」完成である。
しかし、この作品・・・
後に、「呪い」に似た妙な神波動を感じさせる作品となった・・・
ナキ:・・・・・・
あちし・・・
ナルシストだったのかにゃ・・・?




