第166話 仕事納め1・・・芸術は爆発にゃ!
ナキは、作業場の神棚に、手を合わせる。
そこには、プラチナゴールドのノミが飾られている。
家宝「これノミ」である。
「では、いくにゃ!」
ナキは、電動式ドリルを手にして、さまざまなな色の石材を削っていく。
「にゃーははは!コンセプトに「グロいもの」にゃ!」
本来、彼女は一体成形。
すなわち、「一枚岩」からの削りだしの彫刻である。
しかし・・・
「燃えるにゃ・・・
いろんなパーツを別々に製作した上で組み立てる・・・
あちしの神波動よ!
奇蹟を起こすにゃ!」
そもそも、関係ない。
「あちしは・・・
一族が誰もやっていない新技法に、挑んでいるにゃ・・・
そして・・・
越えるにゃ・・・
エメライン師を!」
越えなくてもいいが。
削りだした極小の「キモい」彫像を、自分が書いた指示書に従って組み立てていく・・・
「にゃーははは!
変だにゃ!
キモいにゃ!
おもしろいにゃ!
芸術にゃ!
楽しいにゃ!」
でたらめでかつ、きれいな・・・
それでいて、統率のとれた造型になっていく・・・
「グ・・・グロいにゃ・・・」
恍惚としている。
かつて彼女は、「日本語」の試験で「硬骨魚類」を「恍惚魚類」と書いたクチである。
そして・・・
完成した。
ドヤ顔の・・・二足歩行の芋虫人間・・・
最小は、一センチほど・・・最大で十センチほどの「芋虫人間」の集合体・・・
「銘は・・・芋虫親父にゃ!」
ただし、素材は大理石、大理石、石灰石、花崗岩、御影石など雑多である。
「年越しの第一弾・・・完成にゃーッ!」
き・・・キモい・・・




