第14話 デート
次の日のこと・・・
どこへ行こうか・・・
「お小遣い、あんまりないんだよね・・・」
財布の中を見る。
「うーむ・・・ご先祖様たちは、半分趣味とはいえガンガン働いていたから、お金持ちだったんだよねえ・・・」
私が、お姫様だからってお金持ちだと思うな!
母様の「個人的な収入」からお小遣いをもらってるんだぞ!
断じて公費や、「王家」の収入じゃない!
こんなときは、キティ二世がうらやましい。
錬金術師をしていて、たくさんの特許を取っていて、おまけに夜伽に強烈な薬を使っていたとか。
不意に、城門を見る。
「コレ・・・すごいデザインだよねえ・・・」
初代女王のデフォルメされた、紋章・・・
どこか、アニメの猫耳魔法少女のようだ。
「でも、紋章印は、代々の女王のお気に入りだそうですよ。」
まあ、かわいいことは認める。
「とにかく、王位就いたら、使うんだよね。」
初期デザインを描いたのが、初代女王の旧友だという。
かわいいデザインなので、ノワール女王の鶴の一声で紋章のデザインに決定したとか。
「ほかの国なら、かっこいいデザインにしますよね。」
竜とか、剣とか騎士とか。
「最新宇宙戦艦バステトにも、記されているんだよねえ・・・」
王家のHPを見たら、世界中の「ツッコミ」が、列挙していた。
「なんだよコレ!」
「かわいい!」
「今さら、キティルハルム人のセンスをとやかく言うつもりはないが・・・」
である。
「そうだ!ルシア庵にいきます!?」
「ウナギがおいしいのよね。」
ウナギの老舗ルシア庵。
店に近づくと、おいしそうなにおいと、歌声が・・・
わざわざ、女将の声を録音して流しているのだ。
たらったらったらった、ウナギのダンスぅ~♪
初めて聞いたときは、脱力した。
しかし、ウナギを捌き、秘伝のタレを使って焼き上げる様はまさに芸術。
前世でも、ウナギは好きだった。
「いらっしゃい!二名様ですにゃ!」
出迎えたのは、次期女将とされるリリー・ルシア・ミケランジェロ。
「姫・・・たっぷり食べて、にゃんにゃんするにゃ!」
うう~ッ!
どこへ行っても、この一族は~ッ!
この店の初代さんは、「ノクターン」の「邪馬台国」に出演しています。




