第143話 蛇園
キティルハルム王都にある「キティ二世蛇園」。
ここは、薬や食用とされる蛇を養殖している。
管理しているのは、アルケミア農園。
「陛下・・・本当に、「アレ」を捕えるんですか?」
所長ティカ・アルケミアがゲッソリとした顔で聞く。
「くくく・・・
いるんでしょ?
キングコブラの突然変異・・・
エンペラーコブラが!」
私は、ティカに聞いた。
園の蛇が、進化していると!
キングコブラの突然変異体・・・
体長五メートルの、皇帝毒蛇というべき、「エンペラーコブラ」!
「フフフ・・・
毒を抽出すれば、どんな新薬の材料になるのやら・・・
そして、どんな味の肉なのかしら・・・
ははは!
この女王ミリアム!
国民のために「毒見」をしましょう!」←食いたいだけ。
キングコブラ五百匹・・・
その中に、件の巨大コブラはいた。
「シャアッ!」
コブラは、私に襲い掛かってきた。
次の瞬間、後ろに廻りこんで、首根っこを掴む。
「「「!!!」」」
キングコブラたちは、そそくさと逃げ出す。
本能でわかっているのだ・・・
襲い掛かれば、捕えられると・・・
「見事なお手前で・・・」
ティカは、げんなりとした表情で言う・・・
「とりあえず、料金は振り込んでおくわ。」
「ま・・・まいどあり・・・」
さーて・・・
実験だあッ!
なんと!
キティルハルムの民は、「毒蛇」を食うのです!(毒は抜く)




