閑話一 教祖にならないにゃ!その一
それは、王立学校が長期休暇に入る前のこと・・・
「うーん・・・
神官長は、ヴィブリオに決まりにゃ。
にゃっふふふ・・・
なーんか、エロいにおいしてたし、すっごく真面目だし・・・
さすがに王家の血を受け継いでるだけあるにゃ・・・」
霊廟の隠し部屋にて、神官募集のビラを個人端末と直結した簡易印刷機で大量に刷ったリケは上機嫌だった。
「後は、評議会に頼んで、キティルハルム・アトランティア両国にばらまくにゃ!
夢が叶うにゃ~・・・」
ほくほくの笑顔で、神殿をレイアウトするリケ。
「どんな神様だって、初めはこんなものにゃ。」
言うと、何かにはっと気付く。
神殿に隣接する泉・・・
「ここのこと、忘れるところだったにゃ!
水道も湧き水もあるから、こんなモンいらんにゃ!」
かつて、リケは「金メッキの斧」をウソつき呼ばわりして奪われそうになったことがあり、その顛末を小遣い稼ぎの小説に書いて出版していた。
リケは、右手を天に掲げた。
神波動が、凝縮してスコップになる。
「猫は、執念深いにゃ!」
そばに、大量に盛った土がある。
これをスコップで、ざくざくと泉に放り込んでいく。
「仕上げにゃ!」
砂利と砂、石灰岩加工粉を水で合成した半ペースト状の建材・・・
すなわち生コンクリートを流し込む。
「はあ~すっきりしたにゃ。」
言うと、雑務に戻る。
が・・・
「リケ様ですか?」
不意に声をかけてきた者がいる。
アトランティアの枢機卿の一人だった。
ミリアム:そこまでやるかあ~?




