第138話 ライテス邸
「アロワナでもなく・・・
鯉でもなく・・・
「金魚」・・・
しかもメタル・・・
これが「銀魚」か・・・」
アルムスが、「銀魚」を見ていた。
ミラが、訓練をする「レーザーパンダ」たちを見る。
「まるで、「軍隊」にゃ・・・」
ヴィブリオが、「ハナミズキ」を見る。
「粘液に覆われている・・・」
「鼻水と同じ成分よ・・・」
アルテが答える。
「「鼻水木」にゃ?」
ミラの問いに、アルテがうなずく。
「これが、ウチの「普通」よ。
母上を今更、「変人」って呼べる?」
ユニィが、引きつっている。
「ところで、「スパークリングワイン」と「熊ん蜂の子」をもってきたんだけど・・・」
「いいですねえ・・・「熊ん蜂の子」・・・」
熊ん蜂とは、熊の頭蓋骨を前脚で一撃で砕いて即死させる、キティルハルム産の蜂である。
また、その幼虫は、スズメバチのそれに比べて、数倍の栄養価があり、栄養食や薬学専門の錬金術師にも重宝されている。
ロイヤルゼリー浸けは、特に美味いが「ゲテモノ食い」とされるキティルハルムの民でさえ、好き嫌いが分かれる逸品だ。
「うーむ・・・
この庭だけでも「変人」度が伝わってくるにゃ・・・
陛下が言われるたび、嘆いているのも納得にゃ・・・」
リケは感心した。
「むしろ、好き好んで入る賊が気になるの・・・」
ユニィがボソッと言った・・・
鼻水木「はなみずき」
地球の「ハナミズキ」とは、全くの別種。
人によっては、「触りたくない」植物。
つくった人物の人柄を示している・・・




