第137話 変人科学長官
「ゆくゆくは、娘に「あのクソババア、今度は何作った!?」と言われるのが、夢なんだ。」
アルナスは、番茶をすする。
「か・・・変わった人なの・・・」
ユニィは、冷や汗を垂らした。
「あ・・・あんた、キティルハルムの姫様でしょ!?
やめときなさい!この変人長官とつきあうのは!」
先ほど、トラップ「獅子おどし」にかかっていた女性がわめく。
「遅いの・・・
母さまとこの人・・・マブダチなの・・・」
「確か・・・
「総合導師女王ミリアム・・・
「宇宙建材工学」と「機動兵器」開発の権威・・・
わーッ!
絶望的じゃない!」
「だから言ってるの・・・」
わかってんのかこのバカ!と、目で言う。
「先祖は、偉大だった・・・
「変人」とそしられても、民のために発明を続け・・・
そして、「変人」であり続けた・・・
地球の合金技術を応用した、「ヒヒイロカネ」は、銀河では今だ開発されていないという・・・」
「すごいの・・・」
が・・・
「先祖のもっとすごいところは、貴金属に目もくれなかったところだ。
「金剛石の指輪など、「なにソレ?おいしいの?」的な感覚だったらしい。
「タイヤの指輪」をもらって、十分ほど笑い転げて、満足したらしい。」
「すごいの・・・」
普通は、こういう先祖の話は恥ずかしくてしたくないものだが、この女は数少ない「例外」のようだ。
「奥様。
お嬢様方がこられます。」
執事の姿の男が、声をかけた。
「おう!とおしてくれ!」
アルナスは、「変人」です。




