第133話 天空の勇者の許婚
「よっす!アルテ!」
「おっす!ケルス!」
連れてきたアルテと、アラナスが連れてきた白銀騎士の少年が、拳をぶつけてハイタッチ。
まるで、恋愛要素を感じない。
「こいつ、私の許婚ケルスです。」
「よっす!ミリアム陛下!アルテがお世話になってます。」
フランクだ。
「許婚というより、イタズラ仲間、同性みたいなオタク仲間ですね。
ときどき、「女」を感じますが、そこらの寄ってくる有象無象よりはいいです。」
「私も、そうなんだよね。」
「「げっ!!?」」
後ろを振り向くと、リケちゃんが・・・
砂糖を吐いてる!?
いや、粒子が違う!
塩!?
「全くあなたは・・・」
「しょっぱいにゃ。」
塩吐くな!
「このちっこい神様、「砂糖」吐くんだって!?
残念だったな!」
「ウチの姫様のところじゃ、いつも「砂糖」にゃ。」
本日のリケちゃんの格好は、評議員のローブの袖に金糸の縫い取りのデザインだ。
「ちょくちょく王家のお供のバイトを始めたから、前女王様の借金は全部返済したにゃ。
よく考えたら、ひどい・・・
あのままのタイミングで、亡くなられたらと思うと・・・
即位式の前に返済できてよかったにゃ・・・」
さまざめと泣く、リケちゃん。
意外に実利的である。
「お・・・おい・・・女王様にお金を借りる神様ってなんだよ・・・」
声をかけるケルス。
「神殿ができたら、「聖地」にきてにゃ!
平和について、熱く語るにゃ!」
「お・・・おう・・・」
ちょっと引くケルスだった。
ヘタすりゃ、リケちゃんはお金を返済せずに終わってしまったかもしれません・・・




