第131話 別れ
やれやれ終わったか・・・
私は、部屋で机に突っ伏した。
王位を継いだだって!?
いいことないぞ!
父さまが、死んでるんだ・・・
母さまだって、もう長くない・・・
「ミリアム様・・・へ・・・ミアン様がお呼びです。」
「体調は?」
「よろしくないかと・・・」
私は、立ち上がった。
こんな時でも、「名前」で呼んでくれるイリアの無意識の気遣いが嬉しい。
「用件は、わかるわ。」
「はい。
うちの子達と、妹様たちがすでに。」
「ええ。」
私は、母さまの部屋に入った。
「すでに察していた子達も、いるようですね・・・」
ベッドから身体を起して、母さまが口を開いた。
「今後のことです・・・」
私はうなづく。
「ワッフルもリアナも、ミナも・・・
みんな、職に就き、幸せな家庭を築き、国に貢献している・・・
そして・・・
ミリアム・・・
あなたは、時代の節目の女王として、世界の人々と共に平和を手にしてください。
あなたが「心の師」としたライテス卿は、世界の人々を導き、平和をもたらしました。
「あなたならできる。」とは、言いません。
あなたが嫌いな言葉ですからね・・・
でも、「やって」ください。
「超魔王ガルアレート」・・・
彼女は、人の愛を憎み、愛から生まれる生命力を恐れている・・・
いいえ・・・
嫌悪と排他的な嫉妬というべきでしょうか・・・
現在、大魔王の中には、人間と手をとりあえる者すら現れる気配があります。
どうするかは、自由・・・
でも・・・
「ハルカ博士」は、こんどこそ倒さねば・・・
ミリアム・・・
これで、「最後の心残り」はなくなりました・・・
ジアスが待っています・・・
いかなくては・・・
しっかりね・・・」
最後の言葉を告げると、母さまは目を閉じた。
「あの世で・・・
見ていてください・・・母さま・・・
前世で、得られず、今こうして得られた幸せ・・・
壊させはしない!」
ミリアムのラストの言葉・・・
とあるアニメのOVA版からなんです・・・




