第129話 女王の決断
「まったく、懲りない狂信者にゃ・・・
あちしは、教団なんかつくらないにゃ・・・
こんな奴が利権をむさぼったら、みんなが迷惑するにゃ・・・」
リケちゃんは、ため息をついている。
「地球からの転生者たちが、ノワール陛下があんたを「封印」したことを、手放しでほめているにゃ。
なぜか・・・
かつて、地球では三つの宗教が世界を三つに分け、争っていたにゃ。
結果、多くの民族・文化・国家が消えたにゃ。
しかし、ノワール陛下は、それを未然に防いだからにゃ。
姫様の心の師・ライテスは、「宗教なんぞ滅べばいいと感じていた。」と、書き残しているにゃ。」
言うと、リケちゃんは右手を軽く振った。
そこには、輝く槍が出現していた。
「あちしの武器、平和の槍だにゃ。」
「ラ・・・光流金属の精製・・・
ほ・・・本当に「神」なのか!」
竜神クラス以上の「神」は、「神波動」を実体化し、金属にすることができる。
ちなみに後で聞いたが、できるようになったのはつい最近。
「そう言ってるにゃ。
あんた・・・頭がオリハルコンより硬いのと違う?」
「それが、人同士を争わせるんだよね。」
リケちゃんが、言うと、ルカ様がうなづく。
「くらうにゃ!
天帝浄化光!」
リケちゃんが、槍を降り下ろした。
「おうっ!」
エクシィルが、膝を落とす。
創造神王筆頭の、浄化の光・・・!
「はあっ!」
私は、神波動を炎のように発する。
悠久の守護杖を中段に構える。
「鳳凰突撃衝!」
炎のように燃える神波動をまとっての突進!
「あーッ!僕の技!」
ルカ様が、何か言ってる。
エクシィルの身体が、両断される。
「お・・・おのれ・・・」
恨めしそうに、こちらを見ると、その場から「消える」。
「あのクソ野郎!」
「ちッ!逃げられたにゃ!」
ルカ様と、リケちゃんが悪態をついていた。
それよりも・・・
母さまの容態は!?
「どうやらお命には別状ない様子です・・・
しかし、お父上は・・・
ジアス様は、お亡くなりに・・・
ううッ・・・
我々が、王宮を警護していながら・・・」
騎士が、男泣きに泣く。
「ミ・・・ミリアム・・・重要な案件があります。
私の命は、もって数日でしょう・・・
よって、そのうちに済ませてしまいたいことがあります・・・
ルカ様とリケちゃんも、お立会いください・・・」
「そ・・・それって・・・
まさか・・・」
王 位 継 承
もっと先だと思っていたのに!
とうとう・・・!




