第126話 初代ミケランジェロの食材検証
その日、私は論文をまとめるために。
リケちゃんは、執筆のために王立図書館に来ていた。
「ん?
生物学史・古代鮫・・・
発見者・ノワール女王・・・
ま・・・よくある話にゃ。
へっ!?
か・・・母ちゃん・・・
また、変なことを!」
リケちゃんは、頭を抱えた。
それは、初代女王ノワールが、港で大物を釣った時だった。
「な・・・なんじゃこりゃああああッ!」
女王ノワールは、ノワールオオウナギを初めて釣ったとき同様に
大声をあげた。
「こ・・・これは・・・滅びたはずの古代鮫?
確かに、キティルハルム近海には「大物」が多いけど・・・」
ノワールの声を聞きつけ、国民たちが集まってきた。
その筆頭にいたのが、ミケランジェロその人だった。
「で・・・でっけえ鮫にゃ・・・」
彼女は、ナイフを取り出した。
「すんげえ鮫だから、「キャビア」が採れるにゃ・・・
にゅふふふ・・・」
そうして出てきたのは・・・
「ちっこい鮫にゃ・・・」
「鮫は「胎生」なのよ・・・ミケ・・・」
「う・・・ウソにゃ・・・「超」鮫だから・・・
極上のキャビアが採れるはずだと思ったにゃ!」
ミケランジェロは、うなだれた。
「あなたにこの事実を受け止める「耐性」は、低いようね・・・」
「うわーん!」
すでに、夫と子供を抱え、彫刻家として大成。
子供の何人かは、弟子になったり独立していて、更に商工ギルドマスターを勤める女であるのだが・・・
「まったく・・・
あちしが「死んだ」後もバカやってたにゃ・・・」
リケは、「生物学史」の本を閉じた。
うーん・・・
あの後の話って・・・
変な逸話が多いんだよな・・・
初代ミケランジェロって・・・
むしろ、建国初期のほうがまともだったような・・・




