第125話 背教の教皇
「なんだと!?
あの時代にワシが「殺した」小娘が「神のしもべ」としてよみがえり、修行をしておるというのか!?」
第六惑星の一室で、僧服の老人が激昂していた。
「「教皇」・・・落ち着いてよ。」
実験用マウス一号が、「教皇」エクシィルをなだめる。
「落ち着いていられるか!」
『そりゃそうか・・・「神様」に自分の「信仰」を否定され、信仰のために「殺した」相手が、その「神様」の部下に収まっちゃ、怒るわな・・・』
「正確には、従属神のようだけどね。」
「獣が、「神」に昇格したというのか!」
エクシィルにとっては、「人間」として下級の人猫が、神として昇格したことが許せないのだ。
「それどころか、当の神がワシを「背教者」などと!」
これまで、教えのために流した血はなんだったのか。
「あの黒猫も・・・
あの勇者も・・・
あの総合導師も・・・
あの闇の勇者も・・・
神に背きおって!
よりによって、真の御使いであるワシを「背教者」呼ばわりとは!」
だから、全ての秩序を破壊し、神に委ねるため、超魔王の配下となった。
「そして、大魔王の一人「大魔皇エクシィル」となった!
此度の復活、無駄にはせんぞ!」
それを見ていた実験用マウス一号は、ため息をついた。
「やれやれ・・・
今度は、その「神様」当人に罰を食らいそうだな・・・」
これだから、狂信者は・・・
と、実験用マウス一号はつぶやいた。
キティルハルムとエクシィルの確執は、実際の宗教対立からです。




