第116話 和解の顛末
「でりゃああッ!」
ユニィが、神波動弾を、アルテに放った。
アルテは、剣を抜かず、右手ではねのけ、左拳をつきだす。
しかし、ユニィが、尻尾を巻き付け、宙に固定させ蹴りを繰り出す。
「だッ!」
アルテは、ユニィが放った魔法を相殺する。
「そこまで!」
私の声が、響く。
「アルテ卿強いの!」
「ユニィ姫もね・・・」
私が見たところ、互角だ。
「ユニィ姫、なんでこんなに強いんですか?
まだ子供なのに。」
「ユニィ、学校の同学年で彼氏と一番なの!」
なに!?
聞き捨てならん!
「その子・・・
親御さんに、「補佐官」の同意もらってるかしら?」
「も・・・もらってるの・・・母さま怖いの・・・」
「そう。ならいいわ。
今度、連れてきなさい。」
アルテは、思った。
キティルハルムの王族、マジやべえ・・・
「ミリアム様。」
イリアがやってくる。
「絵師アリス・ニナとナキさんに注文した品ができあがったそうです。」
「わかったわ。
納品と同時に、ルカ様に連絡をいれて。」
「はい。」
王宮・謁見の間・・・
そこに、二つの芸術と二人の名匠、女神がいた。
「画伯女王ニナの弟子にして妹・王宮絵師ニナ二世の末裔アニス・ニナ。
このたび、「ルカ様とキティルハルム国民の和解を記念」する絵を描かせていただきました。」
崩れ落ちて、言葉もなく「謝罪」するルカが、「みじめ」に描かれておらず、対面するミケランジェロ一族と「同等」に誇り高い。
「あちしは、クリスタルで聖鳳凰像を彫らせていただきましたにゃ。
これで、「ミケランジェロ一族」が彫っていない「神像」はございませんにゃ。」
ナキは、威風堂々として微笑をたたえたルカ様の像を見せる。
「いやあ・・・
職務怠慢で、ごめんね・・・
あんなことがあって、「結婚式」に出ようなんてあつかましいよね・・・
今度から、差別や理由なき暴力にでる聖職者が出たら、「厳罰」かますよ。」
「では、絵は「塩をブッかけられて」いる奴のとなりにかけさせていただきます。
う~ん・・・
ユニィの代から子供に説明するのが、面倒になるなあ・・・
ははは・・・」
つられて、皆が笑った。
ここに、長年の「神と人のケンカ」は、終わったのだった。
これで、「女神様」とは「完全和解」です!




