第113話 大宇宙の中心
「こ・・・ここってどこですか!?王宮には、こんな敷地は!」
「ないよ。」
私の疑問に、あっさりと答えるカイロス。
「心を高める。あるいは「扉」をくぐることで、時空の狭間・・・
宇宙の中心にたどりつく。
それが、ここ「悠久の図書館」。
ここには、人が知りたいと願うこと全てが、「書物」の形で存在する。
例え、「神」でもね。
あえて言えば・・・
「宇宙」の遺伝子記録室と言える場所さ。」
「で・・・データバンク・・・」
「とも言うね。」
カイロスは続ける。
「記憶補完機に記録しようとしても、無駄さ。
情報量が多すぎる。
理論上、ここの記録を複製できれば、「宇宙」をもう一つ作れる。
けど、これだけの情報量・・・
「運ぶ」のは無理だよ。」
「や・・・やりません!」
「ムキになるなよ。
でも、気に入った本を読んで情報を蓄えていくといい。
君は勉強家だ。
あのノワール君や、エリティア君・・・
ライテス君のようにね。」
カイロスは、私をしげしげと見る。
「しかしだね・・・
まさか、ライテス君の娘の、ルミナリア君やノワール二世には驚いた。
禁忌とされる「闇の悟り」に手を出し、「混沌の悟り」を手にした。
特にルミナリア君は、闇に堕ちずに「抵抗」せずに「暗黒神波動」に覚醒した。
いやはや・・・
「悲しみ」から生まれる神波動も、あるんだねえ・・・」
理論上、ここの全情報を全てコピーできれば、宇宙をコピーできます。
しかし、どんな媒体でもそこまでの容量はありません。




