第10話 宇宙開発計画
その日、両親が国連総会から帰ってきた。
「まあまあ・・・
こんなにかわいい旦那様をゲットしたの?
で・・・もう、初夜はすんだのかしら?」
ぶほッ!
噴いたッ!
母さま!
気が早い!
まったく・・・
イリアを見るなりこれか!?
「私も、イリアも、「アレ」はまだです!」
「遠慮しなくていいわ!
あなたは、王太子。いくら産んでもいいのよ。
王家の子供は、才能があるので重宝されるのよ。」
なんだソレ。
国民から、配偶者もらう替わりに還元すんのかオイ!
「それよりもだ。事務総長が、「軌道エレベーター計画の構想を提示された。
長期的な計画になるだろう。」
す・・・すげえ!
父さまの言葉に、素直に驚く私。
「あ・・・あの・・・軌道エレベーターってなんですか?」
イリアが、私に尋ねてきた。
「あのね・・・この大地から宇宙にかけ上がるには、大変なエネルギーがいるの。」
「魔導師何人分ですか?」
「わからないけど・・・」
「んー・・・大体、戦争の頃のノワール二世の神波動エネルギーに、匹敵するわねぇ・・・
そんなエネルギーを、大気圏の離脱入ごときに、使っていては、バテちゃうわ。
だから、「リシテアール」の外に港を作って、「置いて」おくの。
後は、人や荷物は、港を往復するだけ。
宇宙を移動するためだけに、エネルギーが使えるわ。」
す・・・すげえ・・・
母様の説明が、すごい・・・
地球でも通じる理論だ。
リシテアールは、のんびりとした世界だと思っていたが、ダマされた!
ライテスという男は、娘に言われる以上の「アホ親父」だったらしい・・・
ここまで、発展させるとは・・・!
リシテアールの科学力は、地球で言えば二十三世紀相当です。