第103話 芸術的な価値
「にゃーははは!」
ナキは、切削ドリルを器用に操り、クリスタルを彫っていく。
「極めるにゃ!」
やがて、そこには・・・
身体が、マッチョ親父で頭がコノハズクという、ものすごく悪趣味な彫像が出現していた。
「銘は、なんでも腕ずくで解決する「力ズク」にゃ!」
この像は、以外に売れた・・・
三億ノワールで・・・
「はあ!?
あの悪趣味な像が!?」
私は、仰天した。
この女の悪趣味具合は、かなりすばらしい・・・
「購入されたのは、ルーシャートの「レア・ナリキーン氏」にゃ。」
IT起業家の成金である。
「大概、私も成金だけどさあ・・・」
ついていけん・・・
「あの、初代ミケランジェロも「封印」以前はいくらか神像を作っていたにゃ。
けど戦争後、彼女は、お客の家に押しかけて「賠償金」を支払ってまで全部ブッ壊したにゃ。」
そのため、わずかに残った「ミケランジェロの神像」は、「兆」にもなるとか。
「「レア」過ぎて、誰も買えない値段になってるにゃ・・・
どんな悪趣味な成金でも、買うほうがバカといえる値になってるにゃ。」
しかし・・・
と、ナキは続ける。
「横流ししても足がつくから、泥棒すら狙わない一品もあるにゃ。」
「それは?」
「リケ・ミケランジェロのお墓の、「リケ像」にゃ。
値段をつけたら、この星全てのお金をかき集めるはめになるし、
歴代の商工ギルドマスターにばれたら、殺されるじゃすまないにゃ。」
「こ・・・怖ッ!」
「「価値がある」とされるのは、初代ミケランジェロのオリハルコン像最初の一作だったからにゃ。」
だろうなあ・・・
初代ミケランジェロは、自分の作品の神像を可能な限りぶっ壊したそうです。




