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9話 覚醒!血骨錬金術

「グルルルルアアアアアア」

「グルアアアアアアアアア」

「グルルルアアアアアアア」


 アースドッグが俺を見つけて吼える。

 ま、まずいぞ。

 ここは行き止まり、扉が開かない限りは・・・

 俺はこいつらに食べられる。

 

 ドンドン ドンドン

 ドアを叩くと。


「おい、早く開けてくれ。もう一度中に」


【現在は入ることが出来ません。】


 くぅううううううううう。

 なんでや?

 なんでや?

 スキルポイントで入れるのではないか? 


 ドンドン ドンドン

 再びドアを叩く。


【現在は入ることが出来ません。】



「グルウルウルウルアアアアア」


 や、やばい。

 アースドッグが襲ってくる。

 毒槍の所持は2本。

 ええい、一本は試しに投げてみよう。


「エイッ」

 ドスッ

「キャン」


 お、おう。

 当たった。

 アースドッグの一匹にヒット。

 アースドッグ・リーダーではないのが悔やまれる。


【熟練度が一定に達しました。スキル『投擲LV1』を獲得しました。】


 ゲット!

 って、喜んでる場合じゃない。

 ええと、武器は武器は・・・残り一本の毒槍。


 これしかないのか・・・ 


 イヤイヤイヤ。

 そうだ! 

 神殿の中、ミイラを噛んでスキルをゲットしたはず。

 確か・・・名前は「血骨錬金術」。

 名称からして、血と骨が必要な錬金術か。

 それなら、血と・・・骨は・・


 あ、見つけた。

 俺が毒槍を投げ相手だ。

 ケガ負いのアースドッグ。

 奴は血を流しているし、骨が見えなくもない。


 あの犬で試せるかも。

 この能力を。 


「グルルルルルルアアア」


 怪我を負ったためか、必死の形相で襲ってくるアースドッグ。

 残りのアースドッグとリーダーはそれを眺めている。

 どうやら、奴一匹に俺をしとめさせる気かもしれない。


 なら、ここでやるしかない。

 この能力・・・「血骨錬金術」にかける。

 

「エイッ」

 俺は残り一本の毒槍を襲い掛かってくるアースドッグに投げると。

 ドスッ。

 体に槍がささるが、かまわず突っ込んでくる。

 もう、死ぬのが分かっているのかもしれない。

 必死の突撃。


 くっ。

 手負いの獣程強敵はいないと聞く。

 ここで油断は出来ない。

 それならば。

 俺は、片腕をアースドッグに向ける。


 ガブッ。

 相手が俺の左手に食いついた。

 

 ぐあああああああ。

 ぎゃああああああああ!。

 痛みが走るが耐える。

 腕が千切れかかっている。

 でも、これで奴を捕らえた。

 今なら奴の怪我している部分。

 骨と血がむき出しになっている部分に容易に触れることが出来る。

  

 左腕はお前にくれてやる。

 犬っころ。

 だが、くらえ。

 俺はお前の命を貰う。

 

 ドバッ

 毒槍が刺さっている、アースドッグの体内に腕を突っ込む。

 奴の骨と血にじかに触れる。

 にゅるにゅるとした肉と固い骨。

 肉を書き分け骨をがっしりと掴む。


「血 骨 錬 金!」


 ピカッ ドドドドッド バーン。

「グルアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!」


 アースドッグは内部から爆発した。

 激しく飛び散る血と肉。

 俺の体は全身血まみれ。

 俺を中心に、血と骨が円を描いている。

 赤いサークルが出現。

 


【経験値を12得ました。】

【ベビーヴァンパイアのLVが1から2に変化しました。】


 爆殺!

 すさまじいな・・・血骨錬金術。

 どういうわけか、相手は一撃で吹っ飛んだ。

 何が起こったのか今いち分からないが、奴は死んだ。

 錬金術なので、とにかく「変われ」「変われ」と錬金術を発動しながら念じたので爆発したのかも。

 明確な練成先をイメージしていなかったので。


「グルルル・・・」

「グルルルル・・・・・」


 残りのアースドッグが遠巻きに俺を見ている。 

 仲間がやられておびえている様だ。

 だが、リーダー格のデカイ奴。

 アースドッグ・リーダーはやる気満々。


 俺はしゃがみこみ、右腕を地面につける。

 爆殺したアースドッグに噛み付かれた左腕は最早飾りだ。

 まともに機能しないどころか、錬金術の爆発で吹き飛んだ。

 遠くに転がっている。

 だから今の俺は隻腕。


 飛び散ったアースドッグの血と骨に、残った右手をつける。

 血と骨を基にした錬金術なら。

 これだけ素材があるならば。

 強固な練成ができるはず。

 今必要なのは武器だ。

 奴らを倒す事が出来る最強の武器。

 この状況を覆す事が出来る武器。

 それを今から作成する!

 

「血 骨 練 成!」


 手元が光。

 血と骨が光だし、俺の手元に収縮される。

 赤い光に包まれた武器が俺の右腕に生成される。


 現れたのは・・・真紅に輝く銃。

 リボルバーマグナム。


 やはり、現代人が思い浮かべる最強の武器は銃に決まっている。

 剣や槍では銃には勝てない。

 遠距離から撃て、確実にダメージを与えられる銃こそ最強。

 その思いがリボルバーを生成したのだ。 


 弾薬は、アースドッグの血と骨だ。

 血の弾丸、ブラッド・バレット。

 骨の弾丸、ボーン・バレッド。

 二種類の弾丸。

 

 俺は口で弾丸を拾い、銃に弾を込める。

 左腕を失った事が大きい。

 だが、その代わりに最強の武器を手に入れたのだ。

 

 食らわしてやるぜ。

 アースドッグさんよ。


「グルルルルルル」

「グルルルルルアアアアアアア」


 ダダッ ダダッ ダダッ ダダッ


 アースドッグ・リーダーと、その子分が駆けてくる。

 俺にこれ以上時間を与えてはまずいと思ったのかもしれない。

 だが、遅い。

 弾は十分に装填できた。


 ドッグ達にかまわず銃を向け、発射する。

 

 バン バン バン

 血の弾丸、ブラッドバレッドがアースドッグを貫く。


「キャン」 

 ブシャッ

 

 体に三発の被弾したアースドッグは動きを止める。

 血の弾丸が奴の体の中に入った瞬間、血流を暴走させる。

 3発浴びた奴は、体内の血管が暴走したが挙句、体内を爆発させて機能を停止した。

 又しても赤い花火がまった。 


 残りはアースドッグ・リーダー。

 お前には、こっちだ。

 俺はリボルバーを回転させ、弾薬を会わせる。

 

 バン バン バン

 骨の弾丸、ボーンバレッドがアースドッグ・リーダーを貫く。

 

「キュイイイイイイイイイイイイイイン」


 ミシミシミシ、バタリ。

 アースドッグ・リーダーは倒れた。

 ボーン・バレッドが体内入った瞬間に肥大化。

 巨大な骨が奴の体の内面から引き裂いたのだ。

 内側から引き裂かれたアースドッグ・リーダーは体中から血を流して倒れている。

 

 瞬く間に出来た死体の山。


【経験値を36得ました。】

【ベビーヴァンパイアのLVが2から3になるました。】

【熟練度が一定に達しました。スキル『銃撃LV1』を獲得しました。】

【熟練度が一定に達しました。称号スキル『下克上LV1』を獲得しました。】



 シーンと静まり返った現場。

 血と骨がはじけ飛ぶこの場所で、生きているの俺しかいない。

 動くものが俺のみ。

 悲惨な現場だが・・・

 ヴァンパイアだからか、魅力的な血の匂いに惹かれてしまう。

 思わず唾液が出て喉が唸る。


 ふぅー。

 難を逃れた。

 緊張しっぱなしでフラフラだ。

 ギリギリの勝負だった。

 それに、この血骨錬金術。

 かなりの体力を使うのかもしれない・・・

 どこかで休まないと・・


 だがその前に左腕をどうにかしないとな。

 錬金術の影響で吹き飛んでしまった。

 俺は、飛び散っている血と骨、元俺の腕を集めて唱える。

 元あった左腕をイメージして唱えるのだ。


「血 骨 練 成!」


 ジワジワと、赤く染まった真紅の腕が形作られる。

 赤い太い線でフォームが作られ、血と骨が肉付きを始める。

 真紅の光が一つの物体と化していく。

 

 フォーン

 光がやむ。

 拳を握って開こうとするが、上手くいかない。

 まだ練成途中なのかもしれない。

 

 でも、全然OK。

 とりあえず腕がくっついたので満足だ。

 一安心した俺は、アースドッグの死体を集めて担ぐ。

 ここにいれば、奴らの仲間が集まってくるかもしれない。

 今の状況。 

 いつ気を失っても可笑しくない状況ではまともに戦えない。

 すぐにここを去ろう。 


 俺はフラフラと歩き。

 近くの木の穴に入って横になった。


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