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82話 折れた巨木

 アドに乗ってたどり着いたのは。

 巨大樹の根元。

 ここからは上に上がる必要がある。

 となると・・・エンさんの出番だ。

「エンさん」

「ぬっ。我の力が必要か」

 ポワンッ

 エンさんが大きなドラゴンに変身する。

 俺達はエンさんに乗り込む。

 ではっ。

 いざ巨大樹の上へ。


「いくぞ、捕まっておれ」

 バサバサ バサバサ

 エンさんが飛び立った。

 いざっ、空へ。

 


 






 バサバサ バサバサ

「にゃにゃにゃにゃにゃあああ!」

「でしゅでしゅでしゅゆううううう!」

「うおおおおおお!」

 エンさん超特急。

 ものすっごいスピードで上昇。

 何故か猛スピードで急上昇中。

「我はダンジョン最速っ!」

 エンさんもノリノリだ。

 俺たちはヒヤヒヤだ。




【高速移動中】 





 

 ふぅー。

 生きてた。

 危ない危ない。

 途中。

 本気で死んだかと思ったけど・・・

 なんだかよく分からないうちに到着。

 無事到着です。

 

 目の前には大きな巨大樹の裂け目が見える。

「どうだ。我の飛行技術は?」

 ふわっ。

 ドヤ顔のエンさんだが・・・

 隣ではアドが完全にグロッキー状態。

 フラフラふらついている。

 ユラユラだ。

「うぅぅぅぅぅううううー。気持ち悪いでしゅ~」

 やっぱしアドは酔ってしまったようだ。

 気持ち悪そうな顔。

 心なしか、しっぽも犬耳もたれてシュンとしている。

 毛並みも悪い。

「よしよし、アド、すーはすーはーして、新鮮は空気を吸った方がいい」

「で、でしゅ~」

 サスサス

 俺はアドの背中をさする。

 ついでに、飛行でボサボサになった毛並みを直してあげる。



「すーはーすーはー」

 アドの胸が大きく上下する。

 新鮮な空気を吸っている。

 うんうん。

「そうだアド、その調子だよ」

「すーはーすーはーでしゅ」

 うんうん。

 もっと空気を吸ってリフレッシュした方がいいかな。

 頭がリフレッシュすれば酔いもさめるはず。 

「よしよし」

「すーはーすーはー」

 サスサス

 俺はアドの背中をさする。

 ポカポカ暖かい体温が伝わってくる。







 暫くすると・・・

 アドはだいぶ気分が良くなってきたようだ。

 顔色も直ってきた。

 

 しかし・・・

「すーはーすーはー、すーはーすーはー・・・・すーすー、すーすー・・・・zzzzzzz」

 あらら。

 アドは寝てしまったようだ。

 幼げな顔で寝ている。

 プニプニほっぺが上下している。

 小さな寝息をたてて眠っている。 


「トクガワにゃー、あたしが調査しているからゆっくりしているといいにゃ」

「ぬっ。警戒は我に任せよ。巡回してくる」

「それじゃ、頼むね」

 俺はアドと休むことにした。

 顔を上げると、巨大樹の姿が飛び込んでくる。

 木が大きく裂けており、中が見える。

 つい最近まで水が流れていたのかもしれない。

 木の中に空洞が見られる。


 「すーすー」眠るアドの背中をさすりながら思う。

 本当に大きいなーこの木。

 とんでもなく大きいぜ。

 木がさけて折れているので、大きさがよく分かる。

 こんな木が折れるなんてなー。

 どんな威力が必要になるんだろう?

 想像もつかない。



 うーん。

 それじゃー。

 ちょっと散歩してみようかな。

 アドも気持ちよく寝ているから。

 多分、ちょっとやそっとじゃ起きないだろう。

 

 じゃあ。

 そうしよう。 

 うんうん。

 俺はアドをオンブする。

 しっかりと背中に抱える。

 一応ダンジョンだ。

 アドは十分に強いけど。

 寝ているアドを一人にしておけない。

 


 スタスタ スタスタ

 俺は木の上をスタスタ散歩する。

 木の裂け目をよく見ると・・・スパッと切れている。

 奇麗な切り口だ。

 かなり上手く斬れている。


 ずいぶん上手いもんだなーと感心してしまう。

 見ていて奇麗な切り口だ。

 木の表面がつぶれていない。


 木の表皮を触ってみると。

 うん。

 なるほど。

 生命力を感じるな。

 まだマナが循環しているようだ。


 ならっ。

 ちょっと調べてみようかなー。

 チコも調査しているが、俺も何か発見できるのかもしれない。

 48層の巨大樹ではそこそこ探査できたし。 


 よーし。

 やるぞ。

 俺は集中し。

 巨大樹のマナを探査する。


 ツーン ツーン ツーン

 俺は巨大樹のマナを探る。

 大きな木だけあり、とんでもないエネルギー量を感じる。

 でも、48層のワイバーンが住んでいた巨木とは異なる感触。


 ツーン ツーン ツーン



【マナ調査中】



 うーん。

 マナが乱れているな。

 ずばっと真っ二つに折れているためか、マナの回路が暴走しているのかもしれない。

 ごわごわとして、中身が分かりにくい。 


 マナの行き先を探ろうとするが。

 ふーん。

 うーむ。

 中々難しい。

 マナが乱れているせいか、回路がよく分からない。

 全体像をつかめないのだ。


 なので。

 適当に巨大樹の回路を探っていく。

 とりあえず近い部分から探査していく・・・


 うーん。

 どうですかねー。

 特にこれといったものはないかな。

 どんどん探っていくが。

 特に何も見つからない。


「んん?でしゅ~でしゅ?」


 おっ。

 背中にオンブしているアドが起きたようだ。

 もぞもぞ動き出した。

 フワフワの犬毛があたってくすぐったい。


「アド、お目覚めか?」

「でしゅ~、目がシュパシュパするでしゅ」


 目をゴシゴシこすっているようだ。

 

 俺はそっと動き。

 アドをオンブし直す。

 落としたら大変だ。


「ここは、どこでしゅか?」

「巨大樹の上だ。ほらっ、エンさんに乗って、折れた巨大樹木の上に来たんだ」


「で、でしゅ~。思い出したでしゅ」


 背中で、アドがヒョコヒョコ首を動かしているようだ。

 ふさふさした感触が首にあたる。


「アド、降りるか?」

「んん?このままでいいでしゅ~。もう少しお寝むでしゅ~・・・すーすー、すーすー、zzzzzz」


 アドは再び眠りに落ちた。

 寝息が首筋にあたる。 

 やれやれ。

 アドはお寝むだな。

 まぁ、このまま調査を続けようか。



 俺は巨大樹に手を当て。

 マナの探査を続けた。

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