79話 出発~
ペロペロ
んん?
ペロペロ
んんあ?
この感触は・・・
まさか・・・
「ご主人しゃま~」
目を開けると・・・クリクリとした瞳。
モフモフアドさんだ。
「起きたでしゅか~?」
「あぁ、アド。今起きた」
俺はアドを抱えながら上体を起こす。
チョコンとアドを脇に移動させる。
今日もモフモフだ。
朝から中々良い手触り。
モフモフしていると元気が出てくる。
朝のウダウダシタ気分が弾け飛んで、 「今日も一日頑張ろう」って気分になる。
アド効果だな。
キョロキョロ
周りを見渡すと・・・
エンさんとチコはいないようだ。
俺の行動を察したのか・・・アドが。
「エンとチコはお散歩にいったでしゅよ~。地下遺跡を一周してくるでしゅ~」
「そうか。教えてくれありがとう」
わしゃわしゃ。
俺はアドの頭を撫でる。
ご褒美に犬耳の裏と顎の下もモミモミする。
「でしゅ~でしゅ~極楽でしゅ~」
だらーんと力なく倒れ。
しっぽをすっごい勢いで振るアド。
ご機嫌MAXだ。
「ならっ。朝食を食べるかな」
俺はアイテムボックスから肉を取り出し。
ガブッ チューチュー
肉をすする。
くぅーーー。
やっぱり朝一は肉に限る。
たんぱく質をたくさんとってエネルギーを補給しないとな。
「アドもご飯でしゅ~」
むしゃむしゃ
隣でアドもお肉をほうばっている。
元気一杯で美味しそうだ。
だがしかし。
おっ。
俺はアドの異変を察知する。
「アド」
「なんでしゅ?」
ポカンとしたアドの幼い顔。
クリクリした瞳をヒョコヒョコ動く犬耳がかわいい。
「ついてるぞ。ここ」
俺がアドの口元についた肉片?をとると・・・
パクッ
俺の指に吸い付くアド。
肉片をさくっと回収したようだ。
「ありがとでしゅ~」
「どういたしまして」
ホクホク顔のアドさんだ。
暫くして朝食は終了。
ゆっくりしていると・・・
ササッ ササッ
「到着ニャー」
「ぬっ。爽快だわい」
エンさんとチコが戻ってきた。
どうやら地下遺跡一周マラソンが終わったようだ。
二人とも大して疲れていないところを見ると・・・
中々の体力だ。
結構な距離あったと思うんだけど・・・
二人には問題なかった模様。
「お疲れ、二人とも」
「たいしたことないにゃー」
「我にかかればお散歩よ」
うーん。
なんだかスッキリした表情の二人。
走ってハイになっているのかも。
「それで、何か見つかった?」
「特に変わりなかったニャー」
「我も同意見」
やはりそうだよねー。
もしかしたらトイレが復活しているかもしれないと期待したけど。
そんなことはなかった。
「じゃあ、旅立ちの準備をしようか」
「ぬっ。我はいつでもよいぞ」
「あたしもにゃー」
「アドも~」
俺は布団とベッドをアイテムボックスにさくっと収納する。
そして、皆で地上に出た。
クレーターの中心地。
俺とチコはアドに乗る。
「ではっ。行こうか。次の階層46層への入り口目指して。チコ、引き続き案内頼む」
「任せるのニャー」
ササッ ササッ ササッ
俺はアドに乗って駆け出した。
ササッ ササッ ササッ
クレーターを出ると、再び密林に入る。
アドは高速で密林を駆け抜ける。
そのせいか、ペシペシと草が顔に当たる。
ムチの様にしなってヒット。
痛みはないけどムズムズする。
「にゃにゃ。トクガワ大丈夫ニャ。葉っぱが頭についてるニャ」
サッとチコが頭から葉を取ってくれる。
「大丈夫だ。俺の皮膚は硬いようだから」
「そうにゃー。宝石みたいにつるつるニャ」
チコが後ろからガバっと俺の頬を掴んで肉球で転がす。
スリスリくすぐったい。
チコめ・・・
ササッ ササッ ササッ
俺がペチペチ草に打たれていると・・・
ドドドドドドド ドシンッ―!
森を切り裂く轟音。
「なんにゃ?」
「なんぞ?」
「でしゅ?」
「何かな?」
キュキュキュー ピタン
思わずアドの足が止まる。
「ご主人しゃま~」
アドがどうするか迷っているようだ。
この爆音・・・
確かにヤバそうだ・・・
想像するのはクレーターを作った者か。
とんでもない奴がいるのかもしれない。
「ぬっ。主よ。確かめに行くのが良いのでは。我もおる」
「にゃにゃ。あたしはどっちでもいいにゃー」
「アドも戦うよ~」
エンさんとアドは戦闘狂気質。
強い者を見ると戦いたくなるのかもしれない。
だが、こちらの戦力は揃っている。
特に問題もないだろう。
「よしっ。音の方向に行ってみようか」
「でしゅでしゅ~」
ササッ ササッ ササッ
アドは音源に向って駆け出した。
ササッ ササッ ササッ
ササッ ササッ ササッ
ササッ ササッ ササッ




