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66話 草原で宝探し

 ペロッペロッ

 んん?

 ペロッペロッ

 んんあ?

 ペロッペロッ

冷たくも暖かな感触。

 チロチロ感触。


 「ご主人しゃまーご主人しゃまー」

 俺が目を開けると・・・

 そこにはアドの姿。

 犬耳を引くつかせるアドだ。

「起きたでしゅか?」

「ああ。今起きた」

 デジャブを感じるというか、恒例になっている起床スタイル。

 爽快な目覚め方だ。 


 うーん。

 頭がいつもより重いけど・・・

 何故だろう?

 夢を見ていたと思うのだけど・・・内容が思い出せない。

 たしかー。

 大事な夢を見ていた気がするのに・・・

 なんでだろう?

 全く思い出せない。

 

「どうしたでしゅかー?ご主人しゃま?」

 アドが心配そうに俺のことを見ている。

 犬耳がヒョコヒョコ動いている。

 ヒョコヒョコアド。

「いいや、何でもないよ。寝起きで頭がボーっとしているだけだよ」

「そうでしゅか~」

 ホットした顔のアド。

 アドの後ろでは違ったケモ耳の姿。

 あの動き方は・・・・


「やっと起きたニャー」

 そう、チコだ。

 今日はチコも早起きしているようだ。

 全身を大きく伸ばして、伸び?をしている。

 ネコ目は半分閉じているので、起きたばっかりなのかもしれない。


 部屋を見回すとー。

 エンさんの姿はやっぱり見えない。

 もう出かけたのだろう。

 ここのところ、朝早くからワイバーンたちの特訓に出かけるみたいだから。


「昨日アレからずっと寝ていたにゃー。よく寝るトクガワにゃー」

「そうでしゅ。いっぱい寝てたでしゅね」

 ほーう。

 俺はかなりの時間寝ていたようだ。

 確かに頭はすっきりする。

 多分10時間以上寝ていたのかもしれない。

「そうかー。久しぶりぐっすりだったよ」

「でしゅねー。たくさんオネムでしゅ。朝ごはんを食べに行くでしゅ~」

「にゃにゃ。そうにゃー。食べて元気一杯ニャー」

 

 ヒョイ ピタッ

「早くいくでしゅよー」

「そうにゃー。ベッドでグズグズはいけないにゃー」

「お、おう」

 俺はアドとチコに手を取られて部屋を出た。

 






 

 

 

 テクテク テクテク

 食堂で朝食をとり、それからアドとチコとお散歩だ。

 もう、だいぶ体は軽くなってきた。

 ベビーエンジェルヴァンパイアに進化した負荷も抜けてきたようだ。


「にゃにゃーん。ポッカポッカにゃーん。にゃにゃ」

「アドもポッカポカ」

 二人とも元気にケモ耳をゆらしている。

 ダンジョン内に降り注ぐ謎の太陽光?で元気一杯のようだ。

 でも、なんだろうな? 

 この光?

 ダンジョンの中なのに明るくなったり暗くなったりする。

 まるで外みたいに・・・

 うーん。

 まぁ。

 考えても分からないかー。

 

 ということで。

 今はワイバーンの巣の草原に向っている。

 大きな木の枝の上に草原があるのだ。

「おっ、ついたみたいだな」

「にゃにゃー」

「広いでしゅー」


 うんうん。

 木の上とは思えない草原広場だ。

 何十もの枝が合わさって土台をつくり、その上に草原ができている。

 ワイバーンさん達もゴロンと寝ている。

 

「にゃにゃー、走るニャー。血が騒ぐニャー」

「ご主人しゃまー。アドも走るよー」

「おうっ、行って来い」


 ササッ ササッ ササッ ササッ

「にゃにゃ」

「でしゅ~」

 アドとチコが草原を駆け回っている。

 猫耳と犬耳の触れ合いだ。

 うんうん。

 ケモ耳達が揺れている。

 心が和むな~。

 癒し空間。 

 ストンッ

 俺は腰を下ろして草原で休憩中。




 草原に寝転がってアド達を眺めていると。

 おっ。

 エンさんの姿だ。

 数匹のワイバーンを連れて草原の上で何やらやっている。

 見たところ・・・離陸の仕方を教えているようだ。

 小さいドラゴンさんが、大きなワイバーンの前で騒いでいる。

 エンさんはハッスルしているようだ。


 ザザーと風が通り過ぎる。

 ワイバーンの巣は穏やかだ。

 巨大樹の高層にあるというのに。

 それを感じさせない。

 50層を思い出すな。

 ここにヒガンフラワーが生えていれば、50層と勘違いしてしまいそうだ。

 

 俺はポケットからアメ玉をとりだす。 

 「ネット通販」で購入しておいたのだ。

 ソーダ味の飴玉を舐めながら、木の葉が揺れるのを観察する。

 口の中で飴玉を味わっていると・・・


「ご主人しゃま~」

 うおっ!

 あぐぐぐっ。

 ゴックン。

 くっ。

 ビックリして、そこそこ大きいアメ玉を飲み込んでしまった。

 ひいいいっ!

 ビックリしたー。

 胃がビックリしてますがな・・・・

 

 完全にふいをつかれた。


「んん?ご主人しゃま~どうしたでしゅか?」

「イヤイヤ、なんでもないよ。それよりアドどうしたんだ?」

「そうでしゅか。チコが何か見つけたでしゅ。こっちでしゅ~」


 クイクイ

 アドのプニプ二肉球で手を引かれる。

 心地よい弾力。

 よしよし。

 何を見つけたのか、見に行って見ますか。


「分かったアド。俺も見に行こうか」

「でしゅ~」


 テクテク テクテク

 俺はアドに引かれてチコの元へ。


  

 

「にゃにゃ?こっちにゃー」

 草原の片隅で、猫耳チコはご機嫌だった。

 なんだかとっても嬉しそうだ。

「どうしたんだ?チコ」

「ここに何か埋まってるニャー。あたしの勘が騒ぐニャー」

 チコが指差すのは・・・

 特に変わりない地面。

 普通の地面だ。

「ここか?何もないけど」

「そうにゃー。ピントきたにゃー」

「楽しみでしゅねー」


 うーん。

 猫耳族は鼻が利くのだろうか?

 よく分からないけどー。

 とりあえず探ってみるから。


「分かった。魔力で地面の下を探知してみる・・・」


 ええっと・・・

 どこか木でも生えていれば根っこで探知できると思ったが。

 そういえば、ここは既に木の上だった。

 この草原も木の枝が密集した上にできた場所。

 それなら・・・

 近くの木に触れればある程度探知できるだろう。

 やってみますか。


 俺は近くの巨大樹に触れる。

 ガブッ

 木に噛み付きながら魔力を流していく。

 ツーン ツーン

 魔力を探っていく。

 木の枝の先を追っていく。

 チコがさしていた地面の下あたりを探る。


 んん?

 おっ。

 おおっ。

 何かあったかもしれない。

 仄かな気配がある。


「ご主人しゃまーファイトでしゅ~」

「にゃにゃー、頑張るにゃー」

 近くで応援してくれるアドとチコ。

 目を瞑って魔力の感覚をさぐっているので、彼らの姿は見えない。


 ふん。

 意識を魔力探査に戻すと・・・

 やはり・・・何かある。

 この地面の下に何かある。

 木の枝に絡み付いているようだ。

 ならっ。

 取り出してみますか。


 ハッ!

 俺は魔力を地面に流し込む。

 木の枝を急成長させて何かを地上まで押し上げた。

 


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