7話 アニマ神殿
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ありがとうございます。
「グルアアアアアアアアアアア」
「グルグルウウウウウウウウウ」
「グルルルルルルルルルル」
やばい。
やばいですよ。
追ってきてるから。
ガンガン追ってきてますよ。
アースドッグx3、アースドッグ・リーダーx1が。
こうなれば・・・
オラッ。
適当に毒槍を投げる。
ドスッ
「キャン」
どうやら一匹にヒットしたようだ。
あからさまに速度が遅くなって離脱する。
よし!
残りは。
アースドッグx2、アースドッグ・リーダーx1
このまま逃げねば。
他の木の穴に入って時間を稼いでもいいが・・・
あいにく木の穴が見つからない・・・
なんでこんな時に。
これまではさくっと見つかったのに。
おっ。
あれ何だ?
前方に見えるのは、始めてみる人工物のような石の扉。
いざ、走りながら鑑定。
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その他 :アニマ神殿
備考 :生と死を司る神殿
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なんか分からんけど、よさげだ。
とにかくあそこに避難だ。
もしかしたら、人がいるのかもしれない。
神殿ならいれてくれるだろう。
ドンドン ドンドン
扉を叩いたり、押したりするが開かない。
なんで開かないんだ。
何か方法があるのか?
【神殿に入るには、スキルポイントを消費する必要があります】
おっ。
又、神の声。
でも、入場料とるんかい?
テーマパークか何かか。
だが、それで安全な所にいけるなら。
『分かった。それでいい。使え』
【現状のスキルポイントは100です。】
【スキルポイントを100消費します】
ドサッ。
次の瞬間扉が開いた。
よっしゃあああ。
とにかく避難だ。
バタンッ。
俺が入ると扉が閉まり、アースドッグ達は扉にぶつかる。
ふぅー。
助かった。
キョロキョロ。
でも、ここはどこだ?
先程までの洞窟とは違い、人工物のようだが・・・
かなり古い建物の様だ・・・
神殿殿という名前だからか、確かに神聖な雰囲気もある。
すーっと澄んだ空気で、先程までの洞窟とは全く違う。
とにかく探索してみよう。
テクテク テクテク
歩くたびに埃が舞う。
暫く誰も来ていないのかもしれない。
かなり大きな作りになっていて、とても人間サイズの建物とは思えない。
現実でいうと、パルテノン神殿の巨大バージョンか。
まるで自分が小人になった気分だ。
少し進むと崖のような場所に出る。
奈落の上では、蛍の様な光が宙を待っている。
幻想的で奇麗・・・神聖な雰囲気を感じる。
光に向って鑑定を使用するが。
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? :?
? :?
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なんの情報も得られない。
これまではこんな事はなかったが。
もう一度。
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? :?
? :?
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やはり何も表示されない。
まさか・・・・鑑定さんが壊れたのか。
とっさに建物を床を鑑定すると。
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その他 :アニマ神殿
備考 :生と死を司る神殿
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よかった~。
鑑定さんは逝ってなかった。
どうやら、あの奈落の上に浮かんでいる光が特別なようだ。
幻想的だから、「?」でも納得できるといえば出来るんだけど。
でもこの場所、アニマ神殿か・・・
確か、ラテン語で生命や魂とかの意味だったはず。
イヤイヤイヤ。
複数の意味を持つ言葉だったから、男性が持つ女性的な精神という意味もあったかな。
この世界と現実がどうリンクしているか分からないから、意味はないかもしれないけど。
しかし言葉どおりの意味なら・・・・
中空に浮かんでいるのは、人の魂だったりするんだろうか。
アニマ神殿の備考にも、『生と死を司る神殿』って書いてあるからね。
そうなら、神聖通り越してちょっと怖いな。
生と死が曖昧な空間は、心を冷やすものがある。
ってか。
そういう生死関係の神殿って、ゲームの終盤に出てくる場所だと思うんだけど。
下手したら、ラスボス倒した後に行く場所だよね。
倒したボスと戦えるとか。
俺、転生直後のベビーなんですか。
ここに入っていいのですかな?
「ほほほ、ここに誰が来るとは、久しぶりじゃのう」
ふいに後ろから声が聞こえた。