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39話 亀さん、凄い顔です

 腹が一杯になった俺達は、焼肉パーティの後、そのまま寝た。

 

 zzzzzzzzzzzzz


 zzzzzzzzzzzzz


zzzzzzzzzzzzzz






 で、 次の日。

 起きると、何故か風の音。

 ワサワサと揺れる体。

 なんだろう?と思い目を開けると。


 景色が動いている。

 ええ?

 景色がスイスイ流れているんだけど・・・

 どういうこと?

「あっ、ご主人しゃま、おはようでしゅ」

「お、おう、おはよう」

「ぬ、やっと起きたか。寝ボスけめ」

 回りを確認すると・・・

 アドに乗って移動中のようだ。

 おかしいなー。

 昨日はフォックスの巣穴で寝たと思っていたのに。

 何故に、移動中?


「どうして俺はアドにのってるんだ?」

「亀さんがドドンってきたの~」

「そうだ。あの亀が巣穴に戻ってきたのでな。我らは皆を守るために巣を後にする事にした。

 狙いは我らだ」


 イヤイヤイヤ、エンさん

 かっこよく皆を守るためと言っていますが。

 狙いはエンさんただ一人ではないでしょうか?

 昨日、寝ている亀さんをかなりの距離ふっとばしていたから。


「ぬ、今も後ろを追ってきているぞ」


 後ろを振り返ると・・・

 ドドドドドドドドドドッ  ドドドドドドドドドドッ

 確かにトリケラタートルが追ってきている。

 中々早い動き。

 高速で四足歩行してますがな。

 あれ、亀の動きじゃないよね。

 動物のそれだよ。

 誰だよ、亀だからノロイかもと思ったの・・・


「主、どうする?このまま逃げるか?それとも戦うか?」

 どうだろうか?

 というより、勝てるのだろうか?

 固くて早くてデカイとなると、かなりやっかいそうだけど。

「エンさん、戦って勝てそう?」

「ぬ、我を何だと思っている。負けはせん。しかし地形に被害がでることになるであろうな。

 あの亀の防御力と体力はかなり高いからのう」

 そうなのか。

 やはりかっちかっちの魔物らしい。

 奪ったスキルの「固くなる」もかなり使えるものだったからな。

 あまり環境は破壊したくはないな。


「このまま48層にまで逃げ切れればいいんだけど。多分、階層を越えては追ってこないだろう」

「ぬ、そうだな。だが我は48層への入り口が分からん」

「アド、知ってるよ~」

「「?」」

 俺とエンさんが同時にアドをみる。

 今、なんとおっしゃいましたか?

 アドさんや。

「本当か?アド」

「うん。昨日、キツネさん達に聞いたの」

 月太郎達は知っていたのか。

 それもそうか。

 彼らはこの地で生活しているので知っていてもおかしくはないか。

 早く聞いておけばよかったな。

「それでアド、どこなんだ?」

「あっちの方だって。アドが案内するよ~」

「ぬ、分かった」

「おうよ」

 アドは密林を駆けていった。

 ササッ ササッ ササッ ササッ








 

 到着したのは・・・

 密林を抜けた先の大きな岩山。

 だが・・・階段は見当たらない。

 というか・・・岩山は崩れている。

 つい最近崩れたのかもしれない。

「もしかして、入り口は塞がっているのか?」

「主のいう通りかもしれん」

「道がないよー、どうしよう~」


 ドドドドドドドドッ  ドドドドドドドドッ

 後ろからはトリケラタートルが迫ってきている。

 どうするよ。

 戦うしかないのか?

「主、我が亀の注意を惹きつけて来よう。久しぶりに腕が鳴る」

 エンさんが時間稼ぎしてくれるようだ。

 ドラゴンさんなら大丈夫だろう。

「頼みます、エンさん」

「ぬ、我にかかれば小さき事よ」

 ドヤ顔のエンさん。

 りりしいちっちゃいドラゴンだ。

 ドヤドラゴン。

「ご主人しゃま~。アドもいくさにいきたいよ~」

 イヤイヤイヤ。

 エンさんと亀さんの戦いは、大きさからして怪獣大決戦みたいになるからアドには難しいと思う。

 ガメラvsゴジラの戦いには、動物は参加できないと思うから。

「アドはお留守番しようね。俺と一緒に」

「え~~アドも強いのに~」

「ぬ。そうだ。我の戦いに手出しは無用。では言って参る」

 ササッ ササッ

 エンさんは亀さんに向って走り出していった。


 ポワン ドドドドド ズドン

 途中でエンシェントグルーンドラゴンになって亀に体当たりをかますエンさん。

 バカデカイ2体がぶつかり合っている。

 地面が揺れている。

 まさに怪獣大決戦。 


 今のうちに48層への階段を探さないとな。

 多分・・・

 この崩れた岩の先にあると思うのだけど・・・

「アド。48層への入り口はこのあたりか?」

「うんっ。キツネさん達はこのおイワさんだって」

 じゃあ、どうにかして岩を取り除くか。

 岩をどけるには・・・

 どけるには・・・

 アレをやってみるか。

「アド、木を引っこ抜いてきて、この崩れた岩山に刺してくれ」

「はーい」

 ミシミシミシ  ドスッ ドスッ ドスッ

 アドは直ぐに密林に入り、怪力で木を抜き、突き刺していく。

 俺は木のつるを木々にむすびつけていく。

 

「よし!アド、もう大丈夫だ」

「ご主人しゃまー、なにするの~?」

「まぁ、みてな。一気に岩山を吹き飛ばすから。アドは隠れていろ。危ないから」

「はーい」

 俺は木のつるに魔力を流していく。

 このつるは岩山に刺した全ての木々につながっている。

 俺は魔力を木々に順調に流していく。

 ひっこ抜いたばかりだからか、木々には魔力が残っている。

 それを利用させてもらおうか。

 狙うは、盛大な爆破。

 全ての木々に許容量以上の魔力を流し込んで爆破させる。

 魔法流ダイナマイトだ。

 ではっ!

 いざっ!

 魔力解放!

 

 ドドドドドドドド ドドドドドドドド ドッカーン

 岩山がはじけとんだ。

 辺りには石つぶてが飛ぶ。

 俺はとっさにスキル「固くなる」を発動。

 ダメージを全て受け流す。

 

 土煙が消えると・・・

 その先には大きな階段が。

 やりいいいいい。

 いえええええええええい。

 48層への道を見つけたようだ。

「ご主人しゃま~、はじけてる~」

「あぁ、俺はきれっきれだぜ」

「アド、乗せてくれ。すぐにエンさんを呼びに行こう・・・」

 かと思ったら。

 エンさんも今の爆発に気づいてこちらに向ってきている。

 これなら先に階段を上った方がいいだろう。

 エンさんを追っている亀さんが凄い表情で追ってきてるから。

 亀さんの大きさなら階段に入ってこられないだろう。

「アド、先に俺達は階段の中に」

「はーい」


 ポワン

 アドが獣モードに変身し、俺はさっと乗る。

 階段に向って駆け出した。

 ササッ ササッ ササッ ササッ


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