4話 ここはどうやら、ダンジョンらしい
『鑑定』
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その他 :迷宮の壁
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『鑑定』
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その他 :迷宮の壁
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さらに『鑑定』
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その他 :迷宮の壁
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ふむふむ。
ここはどうやら、迷宮内らしい。
地面や天井を鑑定すると、決まってこの返事が返ってくる。
迷宮か~。
迷宮ってあれだよね?
かっこよくいうとダンジョンでしょ?
モンスターがわんさかでてきて、装備が充実した冒険者が探検するアレ。
モンスターを狩って素材やアイテム取ったり、ダンジョン内にある宝箱を探したり。
夢一杯のダンジョンじゃないですかな。
むふふふふ。
やばっ!
夢が膨らみすぎて、変な笑いが出てきた。
自重自重。
でもでも、もしダンジョンなら宝箱があるかも。
中に凄い装備とかあれば、俺も一気に強くなるかも。
今だに卵被ってるから体系は分からないけど、多分人型のはず。
卵から出ている手足をみると人っぽいから。
ヴァンパイアと人って体系的には変わらないだろうし。
それなら、人用の装備があったら装備可能!
よしゃああああああ!
おうぅ、だが焦らない。
宝箱が見つかったわけでもないし、あると決まったわけでもない。
まずは鑑定のレベルアップをして、地道に情報収集必須。
これ基本。
ということで今俺は、木の穴jから抜け出し、迷宮内をテクテク探索中。
勿論歩けないので、ハイハイで巡回中。
他人が見たら、卵コスプレした赤ん坊がダンジョン内をハイハイ中って感じかな。
なんともシュールな光景なのかもしれない。
とりあえず、鑑定をかけまくって情報集&鑑定のレベルアップを待つ。
基本、岩でつくられた洞窟だけど、何故か光ってるのよね、岩が。
だから光源的には問題なし。
魔法的な力が働いているのかも。
所々に木が生えているけど、鑑定しても「迷宮の木」以外の表示はなし。
まぁ、木の名前なんて知ったところで意味はないんだろうけど。
暫くハイハイしていたけど、膝も手も痛くない。
ヴァンパイアさんだから、皮膚は人よりも固いのかも。
よかったぜ。
「グルルアアア」
?!
やばい、奴らだ。
卵を食らっていたデカイ野良犬。
俺はとっさに高速ハイハイで近くにある木の穴の中に入る。
そこから野良犬の様子を伺う。
彼らは適当に歩いているだけで、特に俺を探しているわけでもない。
多分、食後の散歩かな。
ほんわかした雰囲気を感じる。
ふぅー、よかった。
貪欲に追われていたら中々まずいことになっていたかも。
ハングリー精神がない犬達でよかった。
なら、とりあえず野良犬たちを鑑定してみようかな。
名前から何か分かるかもしれないし。
『鑑定』
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種族 :アースドッグ
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ふむふむ。
地の犬か。
よく分からん。
だが多分、日本にはいない犬だろう。
犬には詳しくはないが、聞いた事はないし、あんなバカデカイ犬がいれば、絶対に名前ぐらいは知っているはず。
記憶はないんだけど、雑学とかは覚えているからね、俺。
個人のエピソードをは思い出せないけど、生活知識はあるタイプの記憶喪失?みたい。
去っていくアースドッグを見ていると、お腹がすいてきた。
卵の殻でも食べるかな。
パキっと折、口に入れる。
ムシャムシャ
中々美味しいなー。
癖になってきた味。
この殻せんべいは重要な食料ですね。
ムシャムシャ
あっ、そういえばこの殻はまだ鑑定してなかった。
ではでは。
『鑑定』
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その他 :ヴァンパイアエッグの殻
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そのまんま・・・・。
まぁ、知ってましたけどね。
鑑定さんの実力は。
でもでも、ちょっと期待してしまったのです。
目の前のアースドッグ達の姿を見えなくなっ事だし。
さくさく鑑定レベルをあげなければ。
LV1→LV2に上がったときは・・・多くを一斉に鑑定したときだったかな。
もう一度アレをやるとレベルアップするのかも。
キョロキョロ
辺りを見回し、敵がいない事を確認し。
よーし、ではやりますか。
『鑑定』
『迷宮の壁』『迷宮の草』『迷宮の木』『迷宮の壁』『迷宮の草』『迷宮の木』『迷宮の壁』
『迷宮の草』『迷宮の木』『迷宮の壁』『迷宮の草』『迷宮の木』『迷宮の壁』『迷宮の草』
『迷宮の木』『迷宮の木』『迷宮の木』『迷宮の木』『迷宮の木』『迷宮の木』『迷宮の木』
『迷宮の壁』『迷宮の壁』『迷宮の壁』『迷宮の壁』『迷宮の壁』『迷宮の壁』『迷宮の壁』
『迷宮の草』『迷宮の草』『迷宮の草』『迷宮の草』『迷宮の草』『迷宮の草』『迷宮の草』
ぐああああああああああ!
ぬぐああああああああああ!
うほおおおおおおおおおお!
痛い!痛い!めっちゃ痛い。
頭が爆発する。
マジで爆発5秒前。
【熟練度が一定に達しました。『鑑定LV2』が『鑑定LV3』になりました。】
おおおおお!
やりました。
レベルアップ!
待ってましたよ。
頭はガンガン痛いけど、そんな事吹っ飛嬉しさ。
やりいいいいい。
では、自分を鑑定タイム。
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種族 :ヴァンパイアエッグ
レベル:1
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きました。
レベル表記。
これでだいぶ楽になるかも。
自分と相手のレベル差が分かれば、強いか弱いかぐらいは分かるかも。
種族差があるだろうから一概には言えないだろうけど。
よし、次々鑑定しましょうか。
ではでは、手に持っている卵の殻を再度鑑定。
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その他:ヴァンパイアエッグの殻
備考 :食べると一定時間胃を保護し、毒でも食べられるようになる。
希少度が高い食材
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おおう。
ウッヒョイ。
鑑定さん、着実に成長してるじゃないですか。
説明が追加されてる。
やったね。
このせんべい改め、エッグ殻は食材以外の使い道もあるようだし。
後々使えるかもしれないので、殻は温存して早めに他の食材探したほうがいいかも。
この調子で他のも鑑定しよう。
アースドッグに注意しながら迷宮内を歩くと、ふと奇麗な赤い花が目についた。
おおう。
鑑定しがいがある花。
やるしかないね。
やりますよ。
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その他:ヒガン・フラワー
備考 :非常に強い毒性を持つ花。花びらから根まで、全ての部分が毒。
特に、球根部分の毒性は強い。しかし、毒素を抜く事ができれば絶品。
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ひえー。
毒ですか。
危うくパクって食べそうになったけど、セーフ。
奇麗な花には毒があるっていうのは本当なのかも。
でもでも、これは使えるのではないだろうか。
レベル1の俺は、多分雑魚筆頭。
このダンジョン内でも特別弱い存在のはず。
ならば、この毒を使って敵を倒すべし。
そうと決まれば収穫。
とりあえず、10株くらいとってしまいましょうか。
ササッ ササッ ササッ
回収完了。
くくくくっ。
フフフフフッ。
これであのアースドッグをやってやりましょう。
毒殺でやってしまいましょう。
チクリと昇天です。
吸血鬼さんを侮ってはいけないのです。