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21話 魔力制御2

 アユユの塩焼きを食べた後。

 エル爺の魔力特訓が始まった。


 現状を把握したいとのことで、俺は骨に魔力を通して見せた。

 骨なら爆発させずに魔力を通す事がきでるのだ。


「たまげたな・・・・二日目にしてここまでいくとは。お主、ただものではないな」

「いえいえ、エル爺さんの教え方が上手いのです」


「ほほほ。魔力がつきた物質に魔力を通せるのであれば。次は魔力があるものに通した方がよいだろう」


 そうなのか?

 俺はより大きいものに挑戦しようとしていたのだが。

 倒木とか・・・爆発してしまったけど。


「エル爺さん。倒木とかは止めた方がいいのですか?」

「ふむ。あれ程の大きさの物全体に魔力を通すのは難しいじゃろう」


「そうですか・・・だから爆発したのかな・・・」

「ぬぬ?今、お主なんといった?倒木を爆破したのか!」


 口をあけたままのエル爺さん。

 そこまで驚かなくても。


「はい。でも、中々魔力の波を抑えるのが難しいですね」

「凄いとは思っていたが・・・・そこまでの魔力とは・・・

 普通、魔力を通しただけでは爆発させるのは難しいのじゃぞ。

 小さな豆や木の実ならともかく、人より大きい倒木ともなれば・・・」


「そうなのですか・・・・」

「最早攻撃魔法じゃのう。爆裂魔法に近いかも知れぬ。いやはや、才能とは恐ろしいのう」


 ふむふむと頷いているエル爺さん。

 爺さんは時折自分の世界にいってしまうとこがある。


「エル爺さん。すると、魔力が尽きている大きいものか、魔力が満ちている小さな物に挑戦するか。

 どちらがいいのでしょうか?」

「うーーん。迷うとこじゃのう。普通の魔術師になら間違いなく小さな物をすすめるが、主は特別じゃからのう。

 両方でいいのじゃないか。交互にやればよかろう。さすれば違いにも敏感になるじゃろう」


「交互・・ですか」

「そうじゃ。小さいものでも大きいものでも、魔力の通し方は変わらない。

 後は魔力量のコントロールの問題じゃ。元々の魔力量がずば抜けているお主なら問題なかろう」


「というと、通常は違うのですか?」

「普通は魔道具など、よそから魔力を借りてきて操作するのじゃ。だから多量の魔力量コントロールは難しい。

 交じり合った魔力の制御は難易度が高いからのう」


 へぇー。

 そうなんだ。

 自前の魔力ではなくてもいいのか。

 これは又一つ良い事を知ったのかもしれない。

 クリスタルなど、魔力が詰まっている物があるかもしれないな。


「では、大きいものはこのまま続けたいと思います」

「そうじゃな。既に魔力がある物に魔力を通す場合は、相手の魔力の感覚に注意するのじゃ。

 相手に対して何か影響を与える場合は、相手の魔力回路を上書きして方向性を変えるのが一番じゃ。

 なるべく自前の魔力は抑えて上手く流れだけかえ、自分の思い通りに動かすのじゃ。

 見ておれ、手本を見せよう」


 エル爺さんが、草原に咲いているヒガン・フラワーに手をむける。

「ハッ!」

 爺さんが叫ぶと、ヒガン・フラワーが一瞬でしぼみ。

 ポロンッ

 種がでてくる。

「おおぉー」

 パチパチ

 手品みたいで凄い。

 思わず拍手してしまった・


「今のはヒガン・フラワーの魔力回路を弄って種に全て集中させたのじゃ。

 ワシ自身の魔力は最小しか使っておらん」

「成長促進ですか・・・それより、花にも魔力があるのですね」


「この世界に生きているものなら大抵の物に魔力が宿っておる。大小は大きいがな。

 これらを全てコントロールできれば、魔法を極めた事になるのかのう。そんな者、最早伝説上の存在だがのう」


 あれ?

 エル爺さんは賢者といわれているので当然世界最高峰。

 ほとんどの魔法を極めているのだと思ったのだが・・・

 違うのだろうか?


「エル爺さんにも使えない魔法があるのですか?」

「勿論じゃ。魔法は適正があるからのう。オールラウンダーでも、全ての魔法を使える者はいまい」


 そうなのか。

 賢者でも無理なら魔法の道は深いのかもしれない。


「まずは、ワシと同じようにヒガン・フラワーの成長促進を頑張るのじゃ。コツコツが一番じゃ」

「はい。分かりました」

「うむ、頑張るのじゃぞ」


 エル爺さんは去っていった。

 俺はさっそく修行開始だ。

 ヒガン・フラワーに両手を向ける。

 温かい水をイメージして魔力を流し込む。

 ポツン

 俺の魔力が花の中に入り込むが・・・・

 ヒガン・フラワー自身の魔力とぶつかりノイズがまざる。

 それを力で押さえつけようとすると。

 あっ。

 ボフッ

 フラワーが爆発した・・・・

 花びらが宙を待っている。

 

 はぁー。

 やってしまった!

 ヒガン・フラワーの許容量以上の魔力を流し込んでしまったようだ。

 次は注意しよう。

 隣のヒガン・フラワーに向けて魔力を流し込む。

 

 ボフッ


 ボフッ


 ボフッ


 ボフッ


 ボフッ


 花びらが散っていく。

 赤い花の吹雪。

 奇麗だなー・・・・

 イヤイヤイヤ

 花見をしている場合じゃないか。

 うーむ。

 ふーむ。

 中々繊細が操作が必要なようだ。

 こうなれば牙を使いますか。

 骨のときと同じよう要領でいいだろう。

 溢れる魔力を牙で吸いつつ、魔力制御を覚えよう。


 むむっ。

 待てよ。

 落ち着け落ち着け。

 ヒガン・フラワーは毒を含んでいるだから、対毒性作用のある卵の殻を食べないとな。

 俺はアイテムボックスから、なつかしのヴァンパイアエッグの殻を取り出し食べる。

 むしゃむしゃ

 やはり落ち着くな。

 生まれてから初めて口にしたものだからか、愛着がある。

 では!

 次、いきますか。

 

 ガブッ! チューチュー

 ヒガン・フラワーにかぶりついて、吸血。

 同時に魔力解放開始!

 ヒガン・フラワーの魔力と俺の魔力が混ざり合う。

 おっ。

 独特の波がきてフラワーの回路が爆発しそうになるが。

 チュー チュー

 溢れ出した魔力を吸血して抑える。

 よしよし!

 上手く制御できてきたかもしれない

 俺の魔力でフラワーの魔力逃れを制御して、趣旨に全て注ぐ。

 うんうん!

 なんか上手くいきそうだ。

 よし、そこだ!

 魔力をフラワーに注入して。 

 パカンッ

 あっ。

 できた。

 ヒガン・フラワーの種子完成!

 エル爺さんと同じ事、できちゃいました!


【熟練度が一定に達しました。スキル『魔力制御LV2』が『魔力制御LV3』になりました。】 


神の声も祝福してくれるようだ。

「ワンワン」

 勿論、アドも祝福の鳴き声です。

「よしよし」

 俺はアドの頭を撫でた。



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



 エル爺さんは、家のカウチに座っていた。

 つい先程食べた極上の食べ物。

 アユユの塩焼きを思い出すだけでも涎がでてきてしまう。

 

(美味かったのう。あの焼き魚は。

 もう、食事などに興味はないと思っていたのに。

 再び食への好奇心が沸いてきたわい)


 エル爺さんは、トクガワさんの魔力に想いを廻らす。


(あのベビーヴァンパイア。倒木を爆発させるほどの魔力か・・・・

 やはり、あやつの中に感じた魔力は規格外のようじゃのう。

 暴走しないように上手くコントロール方法を導いていかなければ)


 ユサユサとカウチの上で揺れるエル爺さん。


(しかし・・・今回の課題は少々大人げなかったかのう。

 成長促進は難しいからのう。元々ある魔力回路を弄るのはセンスと経験にかかってくる。

 初級魔法使いに教えるような魔法ではない。

 だが、あやつなら・・・一種間ほどあれば覚えるかもしれんのう・・・) 

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