11話 ここは、七大ダンジョンの一つ『アリエスの大迷宮』
完 全 復 活!。
久しぶりにすがすがしい気分で目覚めた。
ここ最近は、取り付かれたようにアースドッグを狩っていた。
起きるたびにドッグを狩り、食べて寝る。
それだけの生活だった。
寝ぼけながら銃をぶっ放してた事もあったな。
気づく目の前でアースドッグが爆発していたから。
ゾンビモードだった。
意識がない俺とか、怖い・・・
でもでも。
おかげで左腕の違和感は消えた。
クーパー、クーパー。
こぶしを開いて閉じても何も感じない。
違和感無し。
よし!
やっとここまで戻った。
特に、肉の渇きが収まったのが大きいのかもしれない。
十分な栄養をとれたのだろう。
牙をうずかなくなった。
久々に鑑定でもしてみるか。
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種族 :ベビーヴァンパイア
レベル:4
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あれ?
おうおぅ。
いつのまにかレベルアップしてる。
最後に俺が気づいたのは、アースドッグ・リーダーを倒した時のレベル2だったけど。
それから2レベルアップ。
狩りに取り付かれているうちに上がったみたい。
体も微妙に大きくなっている気が。
レベルアップすると成長するのかもしれないなー。
少しづつだと気づきにくいけど。
では、狩りに行きますか。
木の穴を出ると、近くには骨の山がある。
そういえば、狩りに夢中になってる時に骨を積み上げたっけ。
穴の中にはそれほどスペースがないからしょうがない。
テクテク テクテク
おっ。
アースドッグを発見。
真紅の銃を奴に向けて、引き金を放つ。
バン バン バン
「キュン」
アースドッグは直ぐに動きを止め、爆発する。
ふぅー。
慣れたものだ。
アースドッグが爆発するグロ映像をみても何も感じなくなった。
どこに位置すれば返り血を浴びなくていいか分かってきたし。
俺、確実に強くなってるな。
今では俺が狩るの者になっているのだから。
狩られる側だった時が懐かしい。
はるか昔の気がするエッグ時代。
さてと。
飛び散ったアースドッグの素材を集めて木の穴に放り込む。
それが終わったら、血骨錬金術の練習だ。
狩りモードのときは、銃弾の精製ぐらいしかやってなかったからな。
他の能力を試さないと。
では、リボルバーをもういっちょ作成してみましょうか。
今のを作った時は、必死で何が何だか分からなかったから。
よし!
これまで狩ったアースドッグの血と骨を地面にばらまき。
両手をつける。
頭の中でリボルバーマグナムを思い浮かべて。
いざっ!
「血 骨 練 成!」
ピカッ
骨と血が光、銃の様なものができあがる。
だが・・・・
ダメだ。
上手くいかない。
できたのは銃らしきもの。
やはり練習が必要なのかもしれないな。
では、もう一度。
「血 骨 練 成!」
ピカッ
「血 骨 練 成!」
ピカッ
「血 骨 練 成!」
ピカッ
「血 骨 練 成!」
ピカッ
・・・・・・・
・・・・・・・
・・・・・・・
・・・・・・・
・・・・・・・
・・・・・・・
あかんっ!
うーむ。
銃らしきものが積みあがるけど・・・
全部まがい物なのよねー。
モデル銃の山。
姿だけは似ているけど、実際に銃としては機能しない。
あの時とどう違うんだろうか?
今使用している銃を生成した時は、一発で作成できたが・・・
作った当時をあまりよく思い出せない。
とにかく必死だった事ぐらいしか。
今となっては、中々うまくいかないものだ。
又、ピンチに陥れば極度の集中力を発揮できるのかもしれないなー。
でも、銃は一個あればいいか。
地道にコツコツいきましょう。
ってか、この銃を鑑定してなかったな。
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武器 :リボルバーマグナム 特性バージョン
備考 :10発装填可能。強力な銃撃が可能。
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ほーう。
『特性バージョン』ついてけど、こっちの世界でもリボルバーはそのままらしい。
項目も『武器』と表示されている。
それで、練成失敗物を鑑定してみると。
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その他 :模型銃
備考 :練成失敗物。ガラクタ。銃のマネた物。実際には発砲できない。
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ふぅー。
鑑定さん、ストレートやな。
もうちょっと気を使ってほしいぜ。
『雑だが光る物がある』とか、『将来性うんぬんとか』とか。
このモデル銃、中々よくできてると思いますぜ。
まぁ、今日はこの辺にしよう。
練成するとお腹も減ってくるし。
やりすぎはよくないな。
モデル銃を量産しても扱いに困るし。
どこの武器庫やー、テロリストのアジトっぽいしね。
洞窟に大量の銃があると。
商人とかいれば売りつけることが出来るかもしれないけど・・・今だに人の姿を見たことがない。
ダンジョンなら冒険者が来てもおかしくないのに。
足跡すらないとは・・・
ここって、本当にダンジョンなのかな?
むむっ!
そういえば。
鑑定さんがLV3になってから地面を鑑定してなかったような。
やっとくかな。
あまり期待はしてないけど。
では、お願いします。
鑑定さん!
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その他 :アリエスの大迷宮・壁
備考 :七大ダンジョンの一つ。
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うおっ!
おおおおう。
鑑定さん、あなたやりますね。
侮ってすみません。
地名が出てますよ。
ここ、『アリエスの大迷宮』って言うんですか。
しかも七大ダンジョンの一つ。
なんか凄そうじゃないですかー。
でもでも。
それならさっきも思ったけど、冒険者がわんさか訪れてもいいと思うんだけどな。
周りの敵、アースドッグもあまり強そうには思えなかったし。
卵から成長したばかりの俺が倒せたからね。
イヤイヤイヤ。
ヴァンパイアの俺が特別強いってのもあるかも。
レアっぽい種族だし。
倒し方も毒と銃だから。
これ、上級モンスターで屠れるかもしれない技だから。
とりあずここの地名。
七大ダンジョンの一つ、『アリエスの大迷宮』が分かっただけで満足かな。
アリエスってのは、どこかで聞いた事がある名前だな。
時々アニメや漫画で出てくるけど、確か元ネタは西洋占星術や星座関係だったはず。
おひつじ座とかだったかな・・・
今日はもうそろそろ寝ようかな。
血骨錬金術使用して疲れたし。
俺は木の穴に中に入って寝た。
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