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男はツラいんだぜ  作者: 奈月ねこ
8/11

豪華ごはん

 茜は久しぶりに体を動かしたのか、疲れきっているようだ。これは旨いものを食わせてやらねえとな。俺は狩りに出掛けた。公園の中は、色々なものがあるから暮らしやすいんだ。さて、今日の獲物はと……。あ、旨そうなのがいるぞ。よし、あれにしよう!


 俺は狩りから帰り、獲物を置いた。茜は疲れてうたた寝していたらしい。


「茜、メシだぞ」

「う……ん、ありがとう、虎」

「いや、好きなだけ食え」


 しかし、茜が獲物を見た瞬間だった。


「きゃあああ!」

「茜!?どうしたんだ!?」

「いやあああ!」

「何が嫌なんだ!?」

「か、か、カエル……!」

「今日は豪勢だろ?」

「……気持ち悪い……」

「カエルは嫌いなのか?じゃあ何がいいんだ?」

「せ、せめて魚とか……」

「うーん、じゃあばあさんのところへ行ってみるか。今日は手土産もあるしな」

「……うん、ありがとう」


 茜はカエルが嫌いなのか。俺たちにとってはごちそうだけどな。まあ、仕方ねえな。茜が食べないんじゃとってきた意味もねえし。


 虎と茜はまた『ばあさん』のところへやって来た。


「ばあさん、今日は豪勢なもん持ってきたぜ」

「おや、虎とお嬢さん。まあ、カエルじゃないか。こんな豪勢なものをもらってもいいのかい?」

「ああ、その代わり、茜に魚を食わせてやってくれよ」

「そんなのお安いごようさ。お嬢さん、どれがいいか見ておいで。どれでも好きなものをお食べ」

「ありがとうございます」


 茜はばあさんの家の奥へ入っていった。


「虎、あのお嬢さんはカエルはダメなのかい?」

「ああ、嫌いらしい」

「こんなに旨いのにね」


 茜が小さな魚をくわえてきた。


「これをいただいてもよろしいですか?」

「ああ、持って帰りな」

「ありがとうございます」


 茜はほっとしたように魚をくわえ直した。


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