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男はツラいんだぜ  作者: 奈月ねこ
7/11

訓練

 翌日から茜への特訓は始まった。猫パンチに足蹴りだ。茜は手の爪の出し方もわからないようだ。どうするべきか……。俺はしばし考え、茜に手を出すように言った。茜は可愛らしい真っ白な手を出してきた。肉球もピンクで可愛い。いや、そんなことを考えてる時じゃない。

 俺は茜の手を取ると、肉球を押した。すると肉球から爪が出てきた。


「要領はわかったか?」

「爪が出るのはわかった」

「それで横っ面を張り倒すんだぞ」

「……どうやって?」

「まずは素振りだ」


 俺が手本を見せてやったが、茜のは猫パンチには程遠いものだった。仕方なく毎日の素振り50回をさせることにした。


「茜、それじゃあ猫パンチになってねえよ。とりあえずはさっきの俺みたいにならないとな。だから素振り50回だ」

「えっ?そんなに!?」

「少ない方だ。皆強くなるために日々の鍛練はしてるんだぞ」


 何故か茜は目を見開き、驚いているようだ。俺たちだって日々色々な連中に狙われる。だからこそ鍛練が必要だ。しかし茜は、「スポコン」などと訳のわからない言葉を言っていた。人間には人間の何かがあるんだろうな。


 そして次は足蹴りだ。俺たち猫は相手を押さえつけることが多い。だからこそそんなときに足蹴りが必要となる。これには茜も同意を示してくれた。

 しかし、やはり足蹴りも全く出来ないようだった。これも毎日50回させることにした。茜は不満そうだったが。

 そして最後は体力作りだ。公園の中を走らせることにした。茜はすでにぐったりしていた。

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