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男はツラいんだぜ  作者: 奈月ねこ
6/11

ブチ

 茜を襲った三匹の猫は、自分達のボスのところへ逃げ帰った。


「てめえら、女一匹に何やってんだ!?」

「そ、それが後少しってところで虎が帰って来ちまって……すんません」

「ちっ、仕方ねえな。今回は報酬はなしだからな」

「そ、そんな。ブチ、頼むから何かくれよ。せっかく行ったってのに何もねえんじゃ、うちの嫁が何て言うか……」


 三匹のうちの一匹はブチに対して訴えてきた。

 ブチは考える仕草をしながら、その猫に伝えた。


「今回だけだぞ。次の失敗は許さねえからな」

「あ、ああ。わかってる」


 ブチは他の二匹にも、手土産として魚を渡してやった。


 ブチは虎とは敵対しているが、全く人(猫)望がないわけではない。こうして子分に色々やらせるが、きちんと報酬は与える。そして狩りの腕も一流だ。だから、いつも豊富な食べ物がある。それでも、虎と対立するのは、同じく人望があるというのと、縄張りのことだ。公園は食べ物が豊富だ。それを虎やその仲間たちだけに独占させておくには、我満ならないのだ。かといって、虎と仲良くするのも癪に触る。うまがあわないのだ。


 結局は力で奪い取るしかない。ブチはそう思っていた。


「女さえおさえれば、きっと虎のやつは俺の言うことを聞かざるを得なくなるはずだ」


 ブチは呟いた。


 次はどうするか……やっぱり虎のいない時に女を連れ去るしかないか。今度はもう少し腕のたつ連中を行かせるか。ブチの茜への魔の手は忍び寄りつつあった。


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