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満月の夜
満月の夜になった。しかし茜は熱心に月を眺めている。今日、茜の交尾の相手に会えなかったら、もしかしたら気が変わるかもしれない。俺は何を考えているんだ。そんな時だった。
「£¢♀∞」
人間の声がした。と思ったら茜がその声の人間のところへ走り出した。
「茜!」
俺の声も聞こえていないようだ。
茜は声を発した人間の前に飛び出した。
危ない!
しかし茜はその人間に向かって話しかけた。
「浩!」
まさかそいつが茜の交尾の相手なのか!?
「浩!」
必死で呼び掛ける茜。だが言葉は通じてないようだ。そんなときだった。人間が言葉を発した。
「£¢♀∞♀¢∞£∞¢♀」
その言葉と共に、茜が輝き出した。
何だ!?
幻想的な光景だった。満月の光に照らされ、茜の姿は白猫から人間へと変わっていく。
茜……。本当に人間だったのか……。
二人は俺にはわからない言葉で話すと、抱き合って公園から出ていった。
茜……。俺は初めて人間が綺麗だと思ったぜ。良かったな。俺はまだ気持ちの整理はつかないが、お前の幸せを祈ってるぜ。




