第2章 耳かき男、絶好調!
カリカリカリ
カリカリカリ
カリカリカリ
耳かき男が耳かきをしています
カリカリカリ
カリカリカリ
カリカリカリ
耳の奥の壁をかいています
朝、起きて一番にする事は耳かきです。
目覚める直前、眠っているのに雨風を感じる時があります。
耳かき男は、目覚める直前、眠っているのに耳がかゆい!と感じます。
耳が枯れた井戸のようにかゆくてかゆくて堪りません。
夜、寝ようとしても耳がかゆくてかゆくて眠れません。
右耳をカリカリしたら左耳がかゆくなります。
左耳をカリカリしたら右耳がかゆくなります。
右耳をカリ……
キリがありません!
「もう耳かきはいいから眠らして!」と願っても耳はどんどんかゆくなるばかりです。
やっと眠りに落ちても、激しい痛みに似た耳のかゆみに襲われて、真夜中に目を覚まします。
いつしか眠りながら無意識に耳かきをするようになりました。
寝ぼけて鼓膜を突き破らないか心配でした。
耳かき男は高校生になりました。
授業中や通学の電車の中で耳がかゆくなるのには困りました。
公衆の面前で耳かきは出来ません。それは自慰をするに等しいからです。
耳かき男は学校や駅の便所で耳かきをしました。
便所飯ならぬ便所耳かきです。
耳の奥の壁の付け根を、耳の穴と鼓膜の境い目を、耳かきのとがった部分を使って鋭角的にコリコリ、コリコリとなぞります。
更にそこをツンツン、ツンツンとつつきます。
次に耳の奥の壁の平面、全体を、耳かきの背の部分に力を加えてトントン、トントンと叩きます。
朝の通学通勤の時間帯には駅の便所の外で中年サラリーマンがドアをドンドン叩きながら、
「いつまで中に入っているんだ?早く出て来い!」
と悲鳴に近い叫び声をあげています。
けれどもその叫び声は耳かき男に届きません。
耳かき男は耳かきに夢中なのです。
耳かき男が高校2年生の時、インターネットを手に入れました。
耳かき男は早速ヤフーの掲示板で質問をしました。
質問内容は、
「耳の奥の壁が焼き付くようにかゆくてかゆくて堪りません!どうしたらいいでしょうか?」
返答は2件でした。
「それは耳の中にカビが生えているのですよ」
「それは耳の中が慢性の炎症をおこしているのですよ」
ツンツンツンツン
トントントントン
ツンツンツンツン
トントントントン
耳かき男が耳かきをしています
ツンツンツンツン
トントントントン
ツンツンツンツン
トントントントン
耳の奥の壁を耳かきで刺激しています
(最終更新日23年10月27日)




