表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
  作者: 紀ノ川
第3部 耳かき男
24/37

第2章 耳かき男、絶好調!

カリカリカリ

カリカリカリ

カリカリカリ

耳かき男が耳かきをしています


カリカリカリ

カリカリカリ

カリカリカリ

耳の奥の壁をかいています






 朝、起きて一番にする事は耳かきです。

 目覚める直前、眠っているのに雨風を感じる時があります。

 耳かき男は、目覚める直前、眠っているのに耳がかゆい!と感じます。

 耳が枯れた井戸のようにかゆくてかゆくて堪りません。


 夜、寝ようとしても耳がかゆくてかゆくて眠れません。

 右耳をカリカリしたら左耳がかゆくなります。

 左耳をカリカリしたら右耳がかゆくなります。

 右耳をカリ……

 キリがありません!


「もう耳かきはいいから眠らして!」と願っても耳はどんどんかゆくなるばかりです。


 やっと眠りに落ちても、激しい痛みに似た耳のかゆみに襲われて、真夜中に目を覚まします。

 いつしか眠りながら無意識に耳かきをするようになりました。

 寝ぼけて鼓膜を突き破らないか心配でした。


 耳かき男は高校生になりました。

 授業中や通学の電車の中で耳がかゆくなるのには困りました。

 公衆の面前で耳かきは出来ません。それは自慰をするに等しいからです。

 耳かき男は学校や駅の便所で耳かきをしました。

 便所飯ならぬ便所耳かきです。

 耳の奥の壁の付け根を、耳の穴と鼓膜の境い目を、耳かきのとがった部分を使って鋭角的にコリコリ、コリコリとなぞります。

 更にそこをツンツン、ツンツンとつつきます。

 次に耳の奥の壁の平面、全体を、耳かきの背の部分に力を加えてトントン、トントンと叩きます。


 朝の通学通勤の時間帯には駅の便所の外で中年サラリーマンがドアをドンドン叩きながら、

「いつまで中に入っているんだ?早く出て来い!」

 と悲鳴に近い叫び声をあげています。

 けれどもその叫び声は耳かき男に届きません。

 耳かき男は耳かきに夢中なのです。


 耳かき男が高校2年生の時、インターネットを手に入れました。

 耳かき男は早速ヤフーの掲示板で質問をしました。

 質問内容は、

「耳の奥の壁が焼き付くようにかゆくてかゆくて堪りません!どうしたらいいでしょうか?」


 返答は2件でした。

「それは耳の中にカビが生えているのですよ」

「それは耳の中が慢性の炎症をおこしているのですよ」






ツンツンツンツン

トントントントン

ツンツンツンツン

トントントントン

耳かき男が耳かきをしています


ツンツンツンツン

トントントントン

ツンツンツンツン

トントントントン

耳の奥の壁を耳かきで刺激しています


(最終更新日23年10月27日)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ