表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
水の都の乙女  作者: 姫青
第1章
6/22

第5話:いじめを受けたら白旗を

口がぽかんと開く。

あぁ……今日で何回目?この動作。


これはきっと癖になってるなと思いながら自分の格好をもう一度確かめる。




白のシャツに、チェックのベスト、ネクタイに黒っぽいのジャケット。

そしてパンツはパンツでもブーツの中に入れるアレ。



なんだろうね、この英国紳士感?

「お手をどうぞ、レディ?ちゅっ」みたいな事やりそうな感じ?

やっぱりこれってさ、あれだよね。






いじめ?





いじめですよね?だってさ、だってさ!?

さっきまで私が着てた服ワンピースだし!た、体型だって平均以上ですよ?




………嘘です。ごめんなさい。よくて平均です。



どっちにしてもさっきまであきらかな女の子服着させられてたんだから、これはもういじめ決定ですか……。

だってコレ、どっからどうみても男物だもん……。




部屋の隅においてあった姿見で自分の姿を確認し、肩を落とす。

なんでだろう、さっきのワンピースよりもこっちの方が似合っている気がするのは。

二重のぱっちりとした目と抜いたり画いたりしていない形のよい眉がりりしく、中性的な顔にみせているのかもしれない。

それでもやっぱりこの格好に長い髪は似合わないので部屋においてあった白いリボンで髪の毛を後ろで結ぶ。


(……男だ……)



姿見に映っていたのは、ジェントルマンという言葉が似合いそうな青年だった。


(……すごいこれなら学祭で男子役やってもよかったかも……)



女子高の学園祭での演劇の出し物はたいてい恋愛ものなわけで、

必然的に男装する生徒がでてくるわけだ。

いまどき珍しい胸下まで伸びる黒髪という容姿から主役に抜擢されたのはいいが、浮かれて家族に話す必要はなかった。


(………いや、やってたら絶対に殺されてるな…)



がっくりとうなだれていた顔をあげると、もう着替え始めて30分も経っていた。

二人を廊下に出したということはすなわち30分廊下に待たせていることになる。



(急がなきゃ!!)



身なりをさっと整え、ベッドの上に散らかしたリボンの束をまとめ、二人が待っている廊下へ続く扉を勢いよく開けた。








「…………似合っていますね…。」

「えぇ、とても…。」

飛び出してきた私の姿を見てうんうんと頷く二人。




えぇぇーーーー!

あぁ……これも何回目?…



じゃなくて!そっちでしたか!

だって私のこと女だとわかってて男物きせていじめてるなら

「ふん!あなたにはお似合いよ!」

「その貧相な体にはやはりその格好が合いますね。」

みたいないじわる発言がくるはずだからこの裏を感じられない賞賛は……

男だと思ってたって事ですよね…。

…………ん?

それじゃあ、さっきのワンピースは?女物を着せるっていういじめでしたか!?




結局、私の性別がどっちでもいじめられてるんじゃん!!と脳内で嘆きながら、ジャケットの胸ポケットから見える白いハンカチに手を伸ばす。






ひらひらひら……





「……何しているんですか?」

シュゼがきょとんとしながら私の振っている白いハンカチに目を向ける。



「……降参です。すみません、言われたことはきちんとしますんでいじめないで下さい…。」

しょぼしょぼと告げる私にゼラは大慌てで

「いじめてなんていませんよ!?」

と否定する。



でもね、どうみたっていじめでしょ。



「男装しろと言うのならしますけど、こういうやり方は精神的なダメージが……。」

ですから……と続ける私の前でくっくっと笑い声が聞こえる。

視線を上に向けると、シュゼがおかしそうに笑っていた。



「くっくっ……その服男物だとわかってて着てきたの?あんた。しかも髪まで自分で結んでるし。」


そーですよ、わかってましたよ、いじめだってことは!!……って、え?



「申し訳ありません!そういうつもりで似合っているといったわけではないんですが……本当にキサハラ様がお綺麗で…。」

必死に謝罪をするゼラはやっぱりかわいい。でも、そんなことより聞き捨てならない言葉が……。



「……そんなキャラでしたっけ?」

ゼラの言葉を無視してシュゼに質問するのは気が引けるが…

…許してください!私の騎士に対するジェントルマンイメージが危機に陥っている気がするので!!



ゼラに視線だけで謝り、シュゼに視線を戻すとシュゼはにっこりと上品な笑みを浮かべていた。

そして――――


はじめまして・・・・・・。シュゼ・ハクス・アーベルです。」







ちゅっとリップ音をたて、私の頬にキスをした。




「っ!!」

あまりの衝撃に背後に倒れこむようにして数歩さがる。







ゴッ







後頭部の痛みとともに遠ざかっていく意識のなかで、がっしりとした腕に支えられた気がした。





急ぎ投稿なので誤字・脱字があるかもしれません。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ