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水の都の乙女  作者: 姫青
第1章
16/22

第15話:本日の訪問時間は終了しました


「あー、お腹いっぱい!!」

ぼふっと勢いよくベッドに飛び込む。ふかふかしてて気持ちいい~。お日様の香りに包まれて幸せだぁ。

右に左にベッドの上をごろごろと転がる。……うっ、苦しい。やっぱ食べ過ぎたかな。お腹が重たい……。



「お前はどれだけ食べるんだよ。」

「失礼な!団長さんの方が倍は食べてましたよー。」



ベッドに大の字に寝転んだ私をシュゼが、柱?天蓋付きベッドの四隅の棒的なものに寄りかかって呆れた顔をしてる。……なんだい?その、だから太いのか。とでも言いたそうなお顔は。



「団長を常人と一緒にする方がまちがってんだよ。だからお前は食べすぎ。」



そんな言い方……自分の所の団長でしょうが。

でもねー、おいしかったんだよご飯。材料自体は地球のものとたいして変わらないんだけど、味がしっかりしてるっていうかすごく新鮮!って感じ。東京じゃ絶対食べられないお味でした。



「別にー、縦に伸びるからいいんだもん。」

……多分。



あの(なぜか改名しちゃった)後、団長さんの所でおいしい夕飯をいただき、今朝のラブリーなお部屋に戻ってきました。団長さんの食べっぷりはすごかったですよ。もうね、野生動物並み?ありゃ熊だわ。それにつられて食べちゃってホント後悔。

てか、さっきなんで改名したんだっけ……?

なにかあったような気もするんだけど、うーん。思い出せないや。



「キシャーラ様、本当にこちらに着替えなくてよろしいんですの?」



そういってゼラが、今朝私が着ていたリボンとフリルが付きすぎでホイップクリームを絞ったみたいにぶりぶりな白のワンピースを出した。

……なんかぶりぶり度ましてません?


「それって…朝のと違う?」

気のせいかなーとも思うけど、一応ね。一応


「えぇ、こちらの方が可愛いと思いまして」


ムキャーーー!!

ゼラ、それ反則!小首かしげで語尾にハートマーク禁止!!

ヤバイ、鼻血でそう。超かわいい!!


あー着てあげたい!でも、ワンピースなんて着て寝たら、朝起きたときには捲れあがってワイングラスみたいになってる可能性大なので!!羞恥心のためにもお断りいたします。




ちなみに私が今着ているのはあっさり、ゆったりとしたシャツとパンツ。私が選んだ寝心地最高、大手ファストファッションのユ○クロだってびっくり!の即席寝巻きなのであーる。



どうやら、この国では女はスカート!って考えらしくて、ゼラもシュゼも私を男装させる事を申し訳なく思ってるらしい。けど、私は別にズボン平気だし。


「お前の居た国って変な所だな。」

私の国では女もズボンはいてたからー、と言えばシュゼにそう言われた。文化の違いだね。

他にも日本ではねー


「電車っていうものが人を乗せて地下を走ってました!!」

「は?なんだそれ。デンシャっていう奴は人を乗せられるほど大きいのか!?いや、でも地中を走るとなると小さいのか…?」

腕を組んで真面目に考えるシュゼに


爆☆笑


したら、シュゼが『騙されたっ!』って騒いでたけど、嘘じゃないですからねー

後はねー……






「シュゼ、黄色の飴を一つどうぞ。」

日本の事をシュゼに話して、うとうとしてきた所でゼラが何やらおいしそうな物の名前を口にした。




「何でだよ。お前も居るだろ?」

ゼラが色とりどりの飴が入った丸いガラス瓶をシュゼに突き出していた。

それを嫌そうにちらっと見るシュゼ。飴嫌いなのかな?

エメラルドグリーンの瞳がハシバミ色の瞳を捉える。

「私は今日の報告をしに、レオール王子殿下の所へ行きますの。」

その言葉を聞き、しぶしぶといった表情でシュゼが黄色い飴を一つ取った。




「なぁに?それ――……」

重くなる瞼を必死に開けて尋ねる。

飴なら私も欲しいんですが。



瓶をさっと後ろに隠して二人は私の質問に答えずにこやかに笑った。

「おやすみなさい、キシャーラ様。」

「また明日な。」






とん、と肩をシュゼに押され、ベッドに倒れた時に頬を何かが掠めた気がするけど……

ま、いっか。




柔らかなベッドに体が包まれるのを感じながらゆっくりと睡魔に囚われた。








**************************************









夢を見た。




夢の中で私は、異世界から日本に戻っていて今日の事を家族に話してた。



ゼラって子はすごく可愛くて、いい子で!!シュゼって人もちょっと意地悪なときもあるけどいろいろ面倒見てくれて優しいし。あと王子様!!全然王子様っぽくないんだけどね……



ぎゃーぎゃー騒ぎながら話す私の話を、家族はからかいながらもちゃんと聞いてくれた。




あー、楽しかった。みんな優しかったし、また行ってみたいなー。



そんな事を私は話していた。















*************************************




















気がつけば部屋の明かりは全部消され、出窓から差し込む月明かりだけが部屋の中を照らしていた。

そんなうす暗がりの中、愛らしいベッドの横に置かれた時計を見つめる者が一人。










「……3分。」




ぽつりと口にする。






ね、寝れない!!いや、寝たよ?爆睡したよ!……3分。

合ってるよね?時計も見たところ一緒のつくりだし。

うわー、どうしよう。てか一体何だったんだよぅ。あの一時的な睡魔は。




ぶぅっと口を尖らしてみる。

なんでかは分からないけど、昔から私は一度起きたらなかなか眠れないタイプの人間だった。


だからいつも夜、怖い思いすることになるんだよねー。

日本家屋はお化けの巣窟ですから。……見たことないですけど。



まぁ、西洋風のお部屋にお化けとか想像できないから(というか異世界だし)怖くはないので、とりあえず羊でも数えますか。そのうち眠くなるだろうしね。

では、記録更新を目指して!!

えーっと確か最高記録は3786匹だったから……羊が1匹、羊が2匹、羊が――





ね、眠れないです…。




目をつむり、羊を218匹まで数えたところでギブアップ。

だって3786匹も羊を数えたときって夜が明けちゃってたし。それってつまり、寝れてないじゃん!?と気がついたんですね。はい。


自分で馬鹿だなー。と思いながら気分を変えるためにも寝返りを打つ。






体をよじらせたその時、耳元でひゅっという風を切る音が聞こえた。

なんだろ、虫かなー?

蚊だったらやだなー。






トスッ







何かがベッドに突き刺さる音がした。






……絶対虫じゃないっスね。


見たくないなと思いつつ、今まで自分が寝ていた所に目をやって………………………すぐに戻しました。









………うぇえええ!?


め、目ぇ、覚めましたぁ!!

無理です!もう絶対眠れません!!




なんで!?なぜにナイフが突き刺さっているんでしょうか!!??

さらにね、居ますね。私の前に。見えるもん。

何がって?

黒いブーツがっ!!



瞼を開けたその先には黒く所々にシミのついたブーツが、ブーツを履いた男が立っていた。



シュゼのでも王子様のでも…ない。

じゃあ……どちら様でしょうか!?





「……おい。」





布団に包まったままビクッと肩をすくめる。

な、なんでございましょうか!!

そろり、と首を上に向けると……






いゃーーーーーーー

やめて!!何その手!!ダーツみたいにナイフ持たないで!

まさかの的って私でしょうか!?





男は目深にフードをかぶっていた。

黒いマントに黒いブーツ。



ナイフを片手に闇にまぎれるその姿はまさに暗殺者。





ど、どうする?目、合っちゃったし……フードで見えないけど。

あわあわしながら脳みそフル回転で…そうだ!!


この端っこ掴んでる枕をこの人のナイフに押し当てて…ダッシュで逃走!!

うん、OK。いける!!……か?





長考しててもダーツの的になってお終いなので行くっきゃない!とばかりに勢いよくベッドから飛び降り、枕をナイフに押し付ける…。




まさか抵抗してくるとは思っていなかったのか怯んでいるのが横目に見えた。




うん、ナイス!いい感じ。

走りならそこそこ速いですからね!私の華麗なる走りに驚くがいい!

あとはこのまま、叫びながら扉へレッツゴーだ!!

ふははははっははー







「だれか助けー……もがっ!!」








言い終わる前に捕まりました。





光の塊についてはスルーでw

希ちゃんのテンションは修学旅行の夜並です


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