100人に1人の告白
アロマンティックの嘆き。
「小さい頃から君が好きだった。
これからも私の隣にいてくれない?」
幼なじみに、僕は告白された。
引っ込み思案で、作家を目指す少女に。
僕は、上手く返したい。
でも、言葉が見つからない。
『アタシ、あんたが好きだった』
遠くから、陽キャの告白が聞こえてくる。
『オレも好きだった』
あちらは告白成功したらしい。
『ぼく、あなたが好きでした。
付き合ってくれませんか、先輩』
違う所から、また告白。
いや、告白しすぎじゃない?
今、この高校は告白ラッシュ。
なぜなら、卒業式が近いから。
高校を卒業したら会えなくなる。同じ所に進まない限り。
だから、その前に告白をして、恋人になってしまおう、と。
そして、僕はというと。
上手く返せず、黙ったまま。
相手を凝視し、黙ったまま。
「い、いいのっ。
君は大学に行くもんね、作家志望の私とは違って。
な、なかった、何もなかったからっ」
両手をブンブン振られる。
「じゃ、じゃあねっ」
笑顔で走って行ってしまった。
本当に、僕はどうすればよかったのだろう。
友人のままでいることは、できなかったのだろうか。
僕には、恋愛というものがわからない。
好き、とか、可愛い、とか、そう思うことはあっても、デートを想像することとかは、できないんだ。
そして、上手い返し方を思い付けないまま、僕は卒業式の日を迎えてしまう。
恋愛って、何だろう?




