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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

犬は世界で1番かわいいです!!

作者: 青渚カレイ

何となく頭に浮かんだ物語を書いてみました!!

これが初投稿の作品になりますので、ゆる~く読んでいただけると嬉しいです!!



 『何を思っているのだろうか?』

 そんな疑問を抱かずにはいられない。


 外に出るタイミングはご主人様の自己都合によって決められ、外に出ても常に首輪を嵌められる。

 家の中では行動をも支配され、少し気性が荒いだけでゲージの中に閉じ込められる。

 ご飯も好きなものを食べることが許されず、食事内容はご主人様の懐事情に左右される。

 そんな生活に、果たして犬たちは満足することができるのだろうか?


 » » »

 

 外に出れば、よく姿を見かける。

 ルンルンに歩いてる犬もいれば、色んなものに興味津々の犬もいる。それらすべて、不幸せそうな犬は一切見かけない。


 『どうしてそんなに幸せそうなの?』


 だって、自由がないんだよ。すべての行動がご主人様に決定され、意にそぐわない行動をとると【しつけ】が必要だと言われる。

 そんな生活に耐えられる人間など、変態を極めしドMくらいしかおらず、普通の人なら発狂するだろう。


 だから、私は知りたい。

 『犬たちは、どうしてあんなにも幸せそうにしていられるのか?』という疑問を。


 » » »


 私の名前は凛咲(りさ)。凜々ヶ丘中学校に通う3年生。ちなみに、趣味は犬観察。

 自分でも、少し変な趣味かなって思ってる。


 でも、小さい頃から犬のことが大好きだった。

 特にアンコ。家で飼っているトイプードルで、私が5歳のときに家に来た。

 あのときから、私の人生はアンコ中心だった。


 アンコは人懐っこいし、とてもお利口だ。お手もできるし、トイレも覚えてるし、無駄吠えもしない。

 だけど──だからこそ、私は時より不安になる。

 アンコが本当に「幸せ」なのか分からないから。


 私に笑って尻尾を振ってくれるけど、それが本心かどうかは分からない。

 ご飯の時間、いつも同じドッグフードを黙って食べてるアンコを見て、「本当は違うものが食べたいんじゃないの?」って思ったこともある。

 ゲージの中で寝ている姿を見て、「本当はもっと広い場所で寝たいんじゃないの?」と問いかけたくなることもあった。


 本当の気持ちが、知りたい。

 どんなに見つめても、どんなにスキンシップをとっても、アンコの気持ちは「想像」でしか補えなかった。


 » » »


 そんな私のもとに、Uちゃんは現れた。


 アンコと一緒に散歩していた公園で、月明かりの下、黒いマントを着た小さな生き物が私に話しかけた。


 「君の願いを叶えてあげるよ。ただし、代わりに──」


 あのとき、条件なんてどうでもよかった。ただ「犬の気持ちが知りたい」、それだけだったから。


 » » »


 「ねぇUちゃん、叶えたい願い決まったよ。私、犬とお喋りがしたい。犬とたくさんお喋りして、犬の気持ちを理解したいの!!」

 「その願い、しかと受け止めた。僕は期待しているよ、君がアイツを倒してくれることを」


 ──アイツ?


 疑問に思う間もなく、身体のすべてが光に包まれる。

 途端、心臓に何かが刻まれるのを感じる。今までに体感したことのない、言葉にするのが難しい感覚だ。


 新たな力を感じる。

 血液でない不思議なものが、身体の全身を循環しているのがハッキリと分かる。これが、以前Uちゃんが言っていた【魔力】というやつだろう。


 「完了だ。これで、君も立派な魔法少女だ」


 遂に手に入れた。

 物心がついた時から欲していた、犬とお喋りできる力をようやく手にすることができた。楽しみで楽しみで仕方がない。


 犬とたくさんお喋りして、犬の気持ちを理解して。

 昔から疑問に思っていたことを解決させたい。そして、その知識を活用してうちのアンコにはもっと幸せになってほしい。


 そのためにも、近くにいる犬を見つけて早くこの力を試したい。そしたらきっと──


 《小せぇガキが1人で笑ってて気色悪いぜハハッ》


 今、何か聞こえた気がする。

 おそらく、後ろの方からだったと思う。

 気のせいだと思うが、後ろに振り向いてみた。


 ──そこには、黒い犬が一匹いた。


 中型犬。毛並みは綺麗に整えられており、首輪はピカピカに輝いている。

 私を見る目つきは、睨見つけるような鋭さだ。


 《こっち見んなよガキ、キモすぎんだよ》

 《······あ? くたばれゴミ犬が》


 自分でも何を言ったのか分からなかった。

 しかし、その瞬間──私の中の何かが『目覚めた』気がした。


 紫色の閃光が走り、それを辿るように爆発が起こった。その閃光は、黒い犬で止まると更に大きな爆発を起こし、辺り一帯には大きな黒煙が上がる。

 悲鳴が聞こえた。

 爆発元では、飼い主らしき男性が尻餅をつき怯え、その隣りにはビクビクしている白い大型犬がいた。

 

 ──そんなことより、私がおかしい。

 

 息が荒く、興奮しすぎて身体が熱い。全身からは汗が大量に出ており、口元からは気がついたら唾がダラダラ垂れている。


 私の脳は、焼き切れたような快感で満たされていた。


 「はぁ、はぁ、はぁ、、、なんて、なんて気持ちいのかしら!! 生意気でどうしようないクズを調教するのがこんなにも楽しいなんて!!」


 そして──私の瞳は、次の獲物を見据えていた。




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