もし朝田が転移したら(施設ごとバージョン)
一番最初に、書き出しを決めるときに書いたものです。ネタバレは無いです。
施設ごと転移した場合
異常な振動が起きた後、体に違和感を覚えた。そして同時に、膨大な数のアラートが吹鳴されたが、その中に敵襲のベルが無いことを確認して、とりあえず警報音を止めた。とりあえず愛に聞くために呼びかけた。
「何が起きた?」
・・・
返答がない。通信が途絶しているため、愛のコンピュータに接続できないようだ。しばらくして、やけに無機質な自動音声が流れた。
『システム再起動中です。しばらくお待ちください。施設AIを非常起動します』
『ハローマスター。
私は朝田のカゴ本部管轄AI、ジブです。現在施設は完全スタンドアローン状態であり、基幹AIとの通信が途絶しております。また送電や上下水道、ガスも停止中。施設内の電力は発電回路によって稼動中。一部工作機械、医務室、主演算室、第二演算室、放送器具、非常灯以外は現在停止中です。一言で表すなら、まるで我々の敷地のみが転移した様な状態になっています』
「おぉ・・・まじかの・・・施設の職員はどうなっておる?」
『それらしき人物は見受けられます。行動から本人で有る可能性は高いのですが、見た目は全員10代になっています』
「分かった。取りあえず・・・第一格納庫に集合させるかのう」
手元のマイクスイッチを入れて、拠点の構内放送をする。
『全職員に連絡。こちらでも異常を感知した。これより、第一種非常配置。施設課は全設備の確認、情報課は至急、ドローンの発進準備をせよ。それ以外の職員は、全員第一格納庫の指定された階に集合せよ。階層はPDに送信する。集合後は、各部署の人員の人数把握後、ワシの端末に送信せよ』
『施設AIより連絡。現在全ての上下水道、ガス、電気が停止中。よって不要な電気、ガスの使用を控え、トイレや水道の使用を許可あるまで禁止します』
『衛生課は、至急、常設トイレの閉鎖と、非常用トイレの設置、開設を最優先せよ。なお、医療棟は非常発電回路が現在始動中。しばし待て。水道は所定の場所は直ちに使用可能である。が、限りがある為、不要不急の使用は控えるように』
声は若いが、ところどころお年寄りのような口調で
喋る若者が爆誕した。ちなみにこの時朝田は外部に偵察機を飛ばしたりし始めた。
『マスター、現在地下演算室でログを元に基幹AIの復元作業を開始しました。ザ・タワーがないため、10秒から2秒ほど回答に遅延が入ると予想されます』
「了解」
『現在ドローンを緊急発進準備中』