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宴始まりて嬉嬉とし踊る

首魁襲来

映姫は魂が抜けたかの様にそこに座りこんでいた。顔も悲しみでは無くただ空虚が映っていた。鬼はそんな映姫に駆け寄る。表情はよく見えない。

「四季様…治療を…」

鬼はそう言って、映姫を奥へ連れて行った。映姫は力無くフラフラと鬼と歩いていく。地獄は毅然暗いままであった。



男は裁判所に拘束されていた。周りには鬼が構えている。この場所では暴れられない。男はそう悟った。助けは来ない。おまけに咲夜の顔も先程剝がされた。今頃目覚めるだろう。すまんな帝様、忠義は果たせそうにない。男はそう心の中で謝罪した。閻魔は男を見つめる。当然弁護士は居ない。

「以下の罪状より、罪人十五夜進渧を大叫喚地獄へと収監する!刑期は約7000兆年!これにて閉廷!」

閻魔は審判を下した。鬼が男に駆け寄る、だが男はそれを手で制す。鬼は思わず止まってしまう。男は笑っている。とても笑える状況ではないのに。

「貴様!何が可笑しい!」

「何って…あの事変で何も成せなかった無能が…私に判決を下すのだぞ…実に滑稽ではないか」

十五夜が笑う。鬼が怒りの声をあげ男の首を掴んで閻魔の方に強引に向かせた。十五夜はヘラヘラしていた。閻魔は十五夜を真っ直ぐ見る。

「さっさと牢に入れろ」

閻魔は表情を直して十五夜に手を翳す。十五夜に何か黒いものがまとわりつく。十五夜の視界が塞がっていく––––––––––––––––––




「歯ごたえが無い暇な仕事だ」

男がそう言う、地面には妖精が転がっていた。妖精は全く動かない。前にはまだまだ妖精達が居る。男は人差し指の先から光を放つ。それが妖精の一人に当たる。妖精は力無くそこに座りこんでしまった。

「このライヴ=ユーハンド様が来たのだ、まあ当然か」

ユーハンドは一人で合点して、光を放つ。

「おい、お前!」

声がする。ユーハンドは声の方向を見る。そこには一人の少女が立っていた。服装は蒼く背中には氷の翅がある。ユーハンドが光を放つ、少女はそれを躱す。ユーハンドは何度か光を放つが全て避けてしまう。ユーハンドは暇潰しの玩具を見つけ、笑う。

「小娘!名前は!」

「あたいチルノ」

良い暇つぶしになりそうだ、ユーハンドはそう思い、光を溜める––––––––––––––––––––––



「一体何が起こっているの?紫?」

霊夢がそう言う。すると左側の空間が割れる。中からは無数の眼が覗いている。俗に言うスキマ空間だ。紫が中から出てくる。表情は少し暗かった。

「私にも察知できてはいないわ、どうやって結界を破ったのかも分からない。私は結界を見張っておくから被害の収束をお願い。既に地獄はかなりヤバい状態よ」

紫はそう言い、スキマの中に入る。そしてスキマを閉じた。そこには何も無くなる。

「おい、どうするんだ」

魔理沙が尋ねる。霊夢は少し考え込む。魔理沙も考える。と、一つの案が出てきた。まずは察知出来ないものへの”頭脳”が要るわね。

「魔理沙、貴女は に向かって頂戴、私は–––––––––––紅魔館に向かう」

霊夢はそう言い、飛び去っていった。魔理沙もそれを眼で見送る。死ぬんじゃないぞ、魔理沙は呟いて上空に何も無いことを確認して、飛び去っていった。



霊夢は紅魔館に降り立つ。前を見ると門番は居ない様子であった。霊夢は少し疑問に思う。幾ら怠け者でも居ないということは無いはずだが…霊夢はそう思い、紅魔館のドアに手をやる。いつも通りひんやりとした触感である。少し冷た過ぎるくらいであった。霊夢はさっさとドアを開ける。ドアは軋んだ音を出しながら開いた。ホールには誰も居ない様子であった。掃除も行き届いている。中に入る、だが人影は見えない。よく見ると前のドアが小さく動いていた。

「霊夢…なのね…」

前のドアが小さく開く。少しだけ開かれたドアからレミリアが見える。いつになく元気が無さそうな声であった。こんな声は聞いたことが無い。弾幕勝負でもこんな声出さない…何があったの…。霊夢は急いでドアに駆け寄りドアを開けてレミリアの元に行った。そこにはいつもの面々が居た。パチュリー、レミリア、美鈴、小悪魔、妖精メイド…あれ、咲夜が居ない。咲夜ならこんな時でもこんな時じゃなくても必ず居るはずなのに…。

「今回の異変…心当たりある?」

レミリアは尋ねる。霊夢は首を振る、レミリアは少し落胆した表情を見せて、椅子に座る。座り方も弱々しかった。まるで何かを恐れているようであった。

「どうしたの?変だよ」

霊夢は心配して声をかけた。レミリアは椅子に座って深呼吸した。妖精メイド達はレミリアに紅茶を注いだ。

「先程、侵入者が一人侵入してきたの。そいつは逃げたんだけど…」

レミリアはそう言って、震え始める。パチュリーはレミリアに後ろから優しく抱き締める。レミリアはそれでも震えていた。紅茶に波紋が生まれる、それはレミリアの顔を歪んで映す。

「咲夜が…やられてしまった…」

レミリアは泣いていた。妖精メイドは直ぐにハンカチを渡す。レミリアはそれを掴んで顔を拭いた。それでも咲夜は来ない。こういうときは必ず来るのに…。

「レミリア咲夜は死んだの?」

霊夢は尋ねる。レミリアは涙を拭き終わりハンカチをテーブルに置く。そして息を吸う、吐くを何度か繰り返した。やっといつもの雰囲気が戻ってきた。でも、眼には涙が映る。

「咲夜は…眼が覚めないの…侵入者に触られてから…」

それを聞き、霊夢は改めて気合いを入れ直した。今回の異変、かなりヤバい。紫が警告するなんてよっぽどだけど今ので分かった。これ以上被害を出すわけには––––––––––––––––––––––––––。

「今、魔理沙が永遠亭に向かってる、まずは知識を借りるべきよ」

霊夢はそう言う。すると後ろのドアが勢いよく開いた。そこから咲夜が出てくる。レミリアは咲夜を見るなり立ち上がる。

「お嬢様、ご心配をおかけしました…」

咲夜は頭を下げる。レミリアは咲夜にそっと抱きついた。咲夜もレミリアを優しく抱き締めた。



「ここが、妖怪の山か…」

帝はそう言う。前には天狗が降りてきていた。それも雲霞のごとく。後ろの配下が構える。配下は3名、事足りるだろう。伊達に上級騎士としてはいない。

「犬走椛、射命丸文。この2名に気をつけろ。以上殲滅にかかれ」

「了解です、マイル様」

男はそう言い、ライフルを構え発砲する。3発ほど撃ったが。文たちは全て回避し、マイルに斬りかかる。

だが、マイルに攻撃が当たらない。何故か当たらない、確かに斬ったのに…。マイルは一人の天狗を捕まえる。天狗はマイルに刀を刺す、マイルは手を離さない。配下の男は天狗を撃った。天狗は暫く悶えていたがすぐに動かなくなった。文達の顔に怒りが映る。文が飛びかかる、天狗達もも後ろから付いてくる。男がマイルの前に立ってライフルを構える。マイルは時計を見る。マイルの腹からは依然血が流れている。

「初速約5000倍 貫け」

男がそう言い、ライフルを撃つ。ライフルの弾は先程とは次元が違う速度で天狗に迫る。だが天狗は回避できずに弾に当たる。三人ほど撃ち落とされる。文は気にせずに男を扇子で斬りつける。扇子は本来斬るためのものではない。今退がっても恐らく無駄。文はそう悟っていた、だから扇子で斬りつけた。男は扇子に当たり少し血を流す。だが致命傷にならない、男はすぐに体制を直しライフルを構える。マイルは文に手を伸ばす、文は屈んで躱し、手を蹴り上げる。マイルは体制を崩す。マイルはそれを見逃さずライフルを構える。文は扇子を扇ぐ。その瞬間マイルと男は上空に打ち上げられる。文は素早く距離をとる。天狗達は要請のかいあって増えてきている。これなら––––––––––––––––––勝てる

「初速5000倍、弾数+2000。貫かれろ」

上から男の声がした、その瞬間上から彗星のようは弾丸の雨が降ってきた。その速度はとても速く眼で追い切れない。多分私より速い。天狗達は一瞬で蜂の巣になる。悲鳴が生まれすぐに消える。偶然か必然か射命丸に光が当たらない。暫く経つと雨が止んだ、周りは血の海になっていた。男が上から降ってきた、マイルは居ない。文の顔に絶望が映る。後ろを素早く振り返る。殆どの天狗が死に絶えていた。生きているのは自分を入れて13人。ヤバいわね…文はそう思う。助かる気がしない…。

「余所見とは、余裕だねぇ〜天狗」

男がそう言う。文はすぐに男を見据える、ライフルから煙が上がっていた。文の足に穴が空く。文は足を抑えて悲鳴を上げる。右足はもう使えない、移動力が潰された。男は死銃(ライフル)を構える。死ぬ––––––––––––––––––––––––––––––。

渇いた銃弾が空気を揺らした音が聞こえた。

どんどん書きますよ〜

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