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溟き仙川

貴女に触れたい

「なかなか強いわね」

霊夢は呟く、奇怪は笑いながら二人に弾幕を放つ、だが二人には当たらない。魔理沙も奇怪に光線を放つ、奇怪はそれを移動して回避する。奇怪の頭は回転している。

「オーシット!ステアが呼んドル!バイのバイのバイ!」

奇怪はそう言い、急上昇して行った。二人は空を見上げる。二人には嫌な予感がしていた。



「ここが月か」

男が月で言う。だが少し戸惑っていた、行き着く場所が想像と異なったからだ。呼吸は何故かできる、眼前には月の兵士が山ほどいる。その先頭には二人の姫が居る。綿月依姫と綿月豊姫だ、恐らくどちらかの能力の影響であろう。男はそう思い、全力で足を踏み出す–––––––––

が、突然出現した目の前の鉄格子にぶち当たる。男は驚いて辺りを見渡す。気づくとそこは監獄であった。収監されているのは自分だけ。男は溜息を吐いて力を溜める。その瞬間格子が壊れる、男は歩いて外に出る。外には月の兵士が槍を構えている。とても殺風景な場所である。前にはまたあの二人が居る。男は背中の剣を抜き先を前に向ける。依姫は刀を地面に突き刺す。すると男の回りに無数の剣が生える。依姫は男を見つめる。男は黒い服を着ていて髪も黒色、総てが黒であった。男は次の瞬間依姫に飛びかかった。依姫はそれを回避し、上空に飛び上がる。男は髪を崩している。七三分けの髪がオールバックになる、依姫は構わずに天照大神を素早く降ろす。巨大な狼である、狼は咆哮し、光を放つ。極光が男を捉える。男は光に手を翳す。その瞬間光が逸れ、依姫を襲う。

「眩しいじゃないか…」

男はそう言う。依姫はのたうちながら直ぐに光を引っ込める、男は依姫に石を投げた。依姫は躱して男を斬りつける。男の腹部から血が流れる、だが男は動じない。男は天に手を翳す、すると先ほどの天照大神が現れる。

「僕の能力は 年下が年上呼び出しちゃ駄目だよ〜このウィズダム様を殺せるとでも〜」

男は笑う。その瞬間天照大神が依姫に光を放つ、依姫が悲鳴を上げる。そして後ろにスキップして下がる。男は豊姫を見る。豊姫はウィズダムを移動させようと試みる、だがウィズダムは動かない。豊姫の眼に焦りが映る。

「無理だって〜無理無理。月夜見呼びなよ〜あ、でも無理か」

男が笑う、兵士達は斬りかかる。ウィズダムは指を鳴らす、その瞬間天照大神の光が兵士を襲う。兵士達は一瞬で蒸発してしまう。依姫は火雷神を降ろす。ウィズダムに雨が降る。ウィズダムは傘を差す。ウィズダムは傘の下でヘラヘラ笑っている。何か策でもあるのであろうか、依姫はそう思う。その瞬間ウィズダムに雷が落ちる。ウィズダムは走って回避する。その雷は龍となってウィズダムの身体を咀嚼する。

「さぁ、虐待ショーの始まりダァ。はっはっはっは」

ウィズダムが血を吐きながらそう言った。その瞬間龍が依姫を襲う。依姫は何とか回避する。龍は何処に消えた。ウィズダムは髪を直しながら言う。

「もう言うけど僕の能力は–––––––––––––」

豊姫がその瞬間ウィズダムに殴りかかる。ウィズダムはそれを手で払う。豊姫は能力を使い背後から殴りかかる。ウィズダムは豊姫を刺そうとする、だが右手を何処かに転移させられる。ウィズダムは吹き飛ぶ。だがムクリと立ち上がる。そして何故か足踏みをした、その瞬間豊姫の口から血が流れる。豊姫は殴りかかる、ウィズダムは後ろに下がり手を叩く。すると豊姫の速度が遅くなり次の瞬間眠ってしまう。

「”チート”だよ」

ウィズダムがそう言い、手をスライドする。空間に文字が現れる。そこにはこう書かれていた。

W syokanju mukou

W toyohime HP1

DW yorihime HP1

W HPheranai

W saiseisokudo×100000000

W nouryokumukou

依姫は神を降ろす準備をする、ウィズダムは手をスライドしてあるものを押した。依姫の顔に不穏な表情が移る。



ルーセントは光を撃ち続ける。五鳥は光を避ける。だが、五鳥にダメージが入らない。ルーセントは気にせず光を撃つ、そして光の剣で斬りかかる。五鳥は剣を鎌で防ぎ、ルーセントを鎌で突き刺す。ルーセントが血を吐く。そしてそのまま鎌を使ってくるりと回り踵落としを当てる。ルーセントは地面に叩きつけられる。ルーセントは弱々しく立ち上がる。動きも全く弱っていなかった。まるで傷など無い様な状態である。

「馬鹿な!我が力が効かんと!」

ルーセントが叫ぶ、五鳥は鎌を振る。ルーセントの身体に傷が刻まれる。五鳥は飛びかかる、ルーセントは驚いて少し怯む。ルーセントは五鳥の膝蹴りを食らう、ルーセントはまったくついて行けない。早い…動きが先程とはまるで別次元だ。だったら…ルーセントが上空に上がろうとする。だが上がることができない。上がってはいるのだが高度がまったく上がらないのだ。五鳥がニヤリと笑う。その瞬間鎌が首を刎ねた。ルーセントはそのまま川に堕ちる。髑髏も消え去っていった。小町は弱々しく倒れこむ。小町は2回ほど咳き込んでそのまま眠ってしまう。ルーセントの身体も三途の河に沈んでいった。


「僕の光を無効化する力は役に立った?」

五鳥が小町に尋ねる。小町は笑って回答する、五鳥は少し笑う。


小町は目をゆっくりと開ける。周りは静かであった。こんなに音を立てているのに死神が一人も来なかったことが疑問であった。恐らく全員何らかの方法で無力化されたのだろう。……死んでなければいいが…。いろいろな所に闘いの跡が残っている。小町は立ち上がろうとする、だが、立ち上がることが出来ない。傷口が血を吐き出している。小町にはもうエネルギーが残されていない。四季様…小町はそう言い、動かなくなった。



映姫は弾幕を放つ。男はくねくねとまるで風で揺れる植物のように。そして映姫に一瞬で詰め寄って言う。

「退屈だよ、閻魔」

男は映姫を蹴り飛ばす。映姫は向かい側の壁に当たる。強くぶつかり、映姫の頭から血が流れる。男はナイフを投げる。映姫はそれを弾く、男はまた時を止め映姫に詰め寄り蹴り飛ばす。映姫は飛ばされながら何か掴む。映姫は血反吐を吐いた。男は映姫を蹴り続ける。

「ああ、言っとくけどこの地獄は独立空間にしてるから、助けなんて来ない」

男は笑って言う。映姫は無言で立ち上がる、手には先程蹴飛ばされた時に拾った搥が握られている。映姫は少し震えていた、殺される、それを直感的に察してしまう。その搥は只ならぬ恐ろしさを放っていて男は少し身震いした。男は映姫を思い切り蹴る。

そして映姫の右手を踏み潰した。手が紅く染まる。

映姫が悲鳴を上げる、男は映姫の叫び声を堪能しているようで口に笑みが浮かんでいる。映姫が助けてと叫ぼうとする、だが男は映姫の口を塞いで声を遮る。映姫は搥を振り下ろす、それは男の肩を掠める。男は怒りを露わにし映姫の身体にナイフを3本刺す。映姫が悲鳴を上げる。

「四季映姫、終わったな」

男はそう言う。映姫は口を開く。ハッタリでも今は––

強がらないと、この策が使えない。

「貴様が堕ちる地獄が決まった」

映姫は震えながら言う。だが目には恐怖が映らず代わりに希望が映る。男はそうかと言い映姫にナイフを投げる。映姫は防ごうとするが、何本か脚に突き刺さる。映姫は悲鳴を上げる、男は映姫に駆け寄ろうとするが、何故か距離が縮まらない。男は歩みを止め、川の方向を見る。歯がガチガチと音を立てて震えていた。

恐らく怒ってるのだろう、背中の咲夜の顔もいつの間にか悲しげな表情になっていた。

「小野塚小町…貴様ァ!」

男が叫ぶ、そして消えた。映姫は急いで机に駆け寄る。だが一瞬で男は戻ってきた、男は映姫を蹴る。映姫は机に当たる、映姫は四つん這いになる。男は机の上の巨大な辞書を掴んで映姫に振り下ろす。2度、3度、4度、何度も振り下ろす。映姫の頭から血がドクドク流れる頭は血塗れになっていた、それでも映姫は机に駆け寄ろうとする。その瞬間映姫が椅子に移動する。男はまた後ろを見据える、そして消える。入れ違いで小町が出てくる。小町の体は穴が3つ空いていて、しかも肩にナイフが突き刺さっている。とても生きているとは思えない。映姫は気にせず審判の体制になる、男が戻り小町をナイフで突き刺す。

「四季様ァ!お早く!」

小町は叫ぶ、だが口から血を吐き倒れ伏してしまう。映姫は構わず散乱している紙の中から一枚の紙を取り出しそれを搥で思い切り押した。搥は緊急審判の搥。仮に地獄内で暴動、謀反等が起き閻魔が椅子に座ることが危うい時にはこの搥を罪人に触れさせればそれだけで刑が決まるというもの。生者にしか効かないというもので使い所は永遠に無いと思っていたが使い所はあった。男の上から巨大な鴉が降りてきた、鴉は咆哮する。男は時間を止めて鴉の背後に回り込み、鴉を突き刺す、すると刺したところが口になりそのまま男を食べてしまう。男はそのまま飲み込まれていった。鴉はそのまま飛び去っていった。小町が血を吐いて倒れる。映姫は急いで小町に駆け寄る。

「小町!小町!しっかりして!」

映姫は小町の身体を少し起こして叫ぶ。小町は動かない。映姫は小町を何度も揺さぶる。小町の身体は軽く大きく前後した、小町の血のようなモノが映姫につく。映姫は構わず小町を揺さぶる。すると小町の眼が少し空いた。映姫の眼に涙が浮かぶ。

「四季…様…ごめん…な…さい…」

小町は途切れ途切れ言う、息を切らしている。口からは血が流れ続けている。小町からは絶えず血が流れていた。小町はどんどん冷たくなっていく。映姫は泣いていた。辺りを見渡すと鬼が何人か来ていた。恐らく先程の鴉の配下だろう。

「はやく、救護を!」

映姫は叫ぶ、鬼は急いで机の上の救護用具をとってこちらに駆け寄る。その後ろに何人もの鬼が駆け寄って来ていた。

「無駄…です…よ…四…季…様…この傷じゃ助かりません…優しい…ん…です…ね」

小町は息を切らして言う、とても弱々しい声であった。鬼が小町の身体に包帯を巻く、小町は映姫の顔に触れる。映姫が小町を見る。映姫はボロボロと雨の様に涙を流していた。涙は小町に積もるが直ぐに血と混じって消えていく。小町の触れた手は冷たく、震えていた。

「ふふ…死ぬ前にやっと四季様のツルツルお肌に触れられましたね」

小町は少し茶化す、すると小町の手がするりと滑り落ちる。小町の眼も閉じた。小町は少しだけ笑っている。鬼は急いでマスクを小町に付け布団に乗せる。映姫はその場に泣き崩れる、映姫は泣き叫ぶ。涙は滝の様に流れ、消えていく。小町に涙の滲みでさえ残らない。映姫は泣きながら小町の身体を揺さぶる。小町は生きてる、絶対に生きている。そう信じ映姫は小町を揺さぶる次の瞬間映姫は小町の口の直ぐ上に顔を持ってくる。髪が小町の顔にかかる。

「小町!返事しなさいよ!」

映姫は泣きながら叫ぶ。小町は動かない、周囲の鬼の目にも涙が浮かぶ。四季映姫が何を叫ぼうともう届かない。


小野塚コマチは死んだのだ–––––––––––––––––––

二本針怜です。最近表現がワンパターンなので変えたいです…

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