使徒襲来
初めての二次創作です、よろしくお願いします。
幻想郷にはいつも通りの朝が訪れる。博麗霊夢は眠そうに箒を握って神社の前を掃除する。鳥はいつも通り鳴きながら空を飛ぶ。お賽銭箱はお察し(無)の状態である。ふと鳥に混じって何か飛んでくる、霧雨魔理沙である。凄い速度で飛来し直ぐに着陸する。この少女は魔法の森に棲む魔法使い、ちょっとズレてるけど。
「貧乏巫女〜」
ほら、きた。だから懐く人が少ないのよ。霊夢は心の中で毒づいて箒を振り続ける。魔理沙は笑って八卦炉を摩っていた。霊夢は掃除しながら魔理沙に話しかける。
「で、何かしら?」
魔理沙は何も言わずに神社の縁側に座って寝転んだ。何がしたいのか本当に分からない。霊夢は気にせず掃除をし同じ様に神社に座る。何もないただの昼下がりであった。
ギュイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイン
上から機械音が聞こえる。二人は上を見上げる、すると上から何か勾玉の様な形をしたものが落ちてくる。
それは奇怪なものであった。次の瞬間奇怪は肩?を震わせながら光を放った、二人は躱す、奇怪は降り立つ。
「オッタッチッシトウテセン!輝夜ドノはwhere?」
奇怪は片言で言う。そして光を収束させ、光を放とうとする。二人は武器を構える。その様子を見て奇怪は言う。
「オッ余と闘うつもりかのう」
奇怪はそう言いエネルギーを溜める。輝夜の名前を…?月の使いなのか?霊夢はすこし考察するが、相手は直ぐに光を放つ。二人は回避する、何てことはない異変と比べれば…この速度…何てことはないわ
魔理沙は光を放つ、霊夢も札を放つ–––––––––––––
「暇だねぇ〜」
小町は舟に揺られながら言う。三途の川は依然静かである。周りの風景はいつも通り静か、他の橋渡しと違い小町は遠い所にいる。いつもここでサボる、バレない。異変の時はバレるがそれはもう起こらないだろう。
その時上から男が降ってくる、小町は目を瞑って眠っている。鎌も横に置きっぱなしになっている。
「Jet stand!!」
男はそう叫び小町に光を撃つ、小町が少し動く。光は舟を貫く、そして舟は転覆し沈んでいった。男は沈んだ所に執拗に光を撃つ。水が噴水のように持ち上がる。男は後ろを向く、後ろには小町が居た。男は小町に攻撃するが小町は男に鎌を突き刺す。男は血を吐く。小町は笑う。
「恐ろしいわねぇ〜今の」
小町は笑いながら言う。眼はとても鋭く怠け者ではなく死神の眼であった。いつの間にか小町が後ろに居る、男は直ぐに距離をとる。だが、小町は直ぐに距離を詰める、男は光を撃とうとするが撃てずに小町に刺される。男はまた血を吐いて、ついに地面に伏してしまう。男は口をパクパクと動かし、ニヤリと笑う。その瞬間男の傷が恐ろしい速度で塞がる。小町の目に困惑が映る。
「小野塚小町、ソナタを消す、ぜ」
男は笑う、そして小町に光を放つ、小町は鎌を握り直す。光が荒ぶりながら飛んでくる。バチバチと音を出しながら飛んでくる。先ほどとは次元が違う。小町は一瞬で男の後ろに周り鎌を突き刺す。だが男は鎌を避ける、小町は直ぐに距離をとる。小町は向かい側の彼岸に屈む。ふと腹部に熱いモノが流れる。小町はそれを触る、それは血であった。横っ腹に二つ穴が空いている。そこから血や赤黒い何かが溢れ出てくる。小町の目に絶望の光が灯る。そして口に何かが上がってくる小町は吐き出す、それは血であった。小町は悲鳴を上げる。男の顔は依然笑っているが、背中の辺りに髑髏模様の球体が5つ浮いている、それはこちらを見て笑っている。小町は鎌
を握ろうとする、だが握れない。いや力強く握れない。口からは血が溢れ出てくる、小町は鎌を杖にしなければもう立てなくなっていた。男は光を撃つ。小町は何とか回避する、だが小町の右肩に穴が空く。肩から赤が溢れる、小町は血塗れになる。先ほどから小町は光に貫かれているが小町は光を回避している。だが何故か回避すると身体の何処かに穴が開く。物理的な穴が。
「ごめん…なさい…四季様…私は…恐らく」
小町が鎌を振りながら小さな声で言う、鎌は光を掠める。光があり得ない動きをしたからだ、小町の眼にはもう何も映らない。小町の両足に穴が開いた。小町は
倒れこむ。足に力を入れるが足から血が出るだけで、立ち上がることができない。小町は斃れ伏す、
「この男に勝てない(今ここで殺される)」
小町はスペルカードを使わない、いや、使えないのだ。何度か使おうとはしたが効果が出ない。恐らくあの髑髏の影響であろう。小町は鎌だけを使う。それだけしか使えない。使えたとしても隙が大きすぎる。
「僕の”能力”を使いなよ」
向こう側から声がする。小町の身体はもう穴塗れになっていた、最後の光は小町の首の下のあたりに当たった、小町は何とか息をしている状態であった。とても闘える状態ではない。
「あんた…なんか…の…力なん…て…いら…な」
小町は途切れながらも言う。最後の力を振り絞って小町は鎌を振るった、男の腹部に命中し、男は少し怯む。男の表情に怒りが映る。あの男の力なんて死んでも…。使わ…ない。でも、私はここを守りたい。
「そろそろ終わりだ地獄よ」
男がそう言い、光を放つ。だが小町は光を手で弾く。光は明後日の方向に飛ぶ、だが小町の身体のどこにも穴は空かなかった。男の眼に困惑が映る。
「はぁい!はぁい!漸く出番ですなぁ〜」
小町は笑って言う。男は少し戸惑いの表情を見せる。
「貴様誰だ」
男は尋ねる。小町は穴を摩っていた。顔は笑っていてとても先ほどと同一人物とは思えない。
「小野塚 五鳥だよ、あんたは?」
「ホークフング=ルーセントだ、覚えておけ!小娘!」
ルーセントはそう叫び、光を撃つ。五鳥は鎌を握り直す。顔は何故か笑っていた。
「はい、次」
映姫はいつも通り椅子に鎮座し、判決を下す。死者がどうなろうが知ったことではない。自分が揺らいでいれば不幸を被る者も出てくる。まあ、揺らぐことは永遠にないが。
後ろから男が歩いてきた、映姫は浄玻璃の鏡で男を見る。罪状とこれからの目的が映る、私を殺す気。男は映姫にナイフを投げた。映姫はそれを悔悟の棒で防ぐ、映姫は棒を振り下ろす。男はくるりと後ろを向き、上着をたくし上げた。映姫はその隙を見逃さず槍を投げる、槍は恐ろしい速度で男に迫る。だがいつの間にか槍が下に落ちていた。映姫は悔悟の棒で男に斬りかかる、男は瞬間移動する。映姫は後ろを向く。眼には男の背中が映る。映姫は目を見開く、それは映姫にしては珍しい困惑の表情であった。
「お?閻魔でも驚くのか?」
男は笑って言う、映姫はもう一度男を良く見る。確かにいや残念ながら風景は何も変わらない。だが、何も今考えることではないか。映姫は思い直し、男を見据える。
「四季映姫.ヤマザナドゥ、貴女を殺させて頂きます」
右手にはナイフと左手には…河童が持っていた黒い立体が握られている。確か”さぶましんがん”というものであった。映姫が槍を投げ、自分も男に斬りかかる。
だが槍はまた堕とされ、映姫の攻撃も回避される。
「ふふふ…俺の能力を教えてやるよ。俺の能力は…」
男は言うが、映姫の攻撃で不意に言葉を止める。男は何度か言おうとしたが、映姫の攻撃のせいで言えない、次の瞬間映姫に恐ろしい衝撃が走る。映姫は思惑膝をつく、この衝撃…まるで蹴られたような…いや違う
蹴られた?殴られた?映姫は考察を進める。
「時間を操る程度の能力だよ」
男はそう言う、すると背中の奇怪が腹の辺りに廻って来る、それはさっきと同様見間違えなどではなく十六夜咲夜の顔であった。咲夜の顔には恍惚とした笑みが泛かんでいた。映姫の眼に怒りが映る。死者か生者か判らないが、罪の無い生物を自分に埋め込むなど…到底許されることではない。
「貴方に判決を下してあげるわ」
映姫は槍を握り締める。男は笑う。
アリスは椅子に座って、お茶を飲んでいた。お茶の味は少し苦い。コップを置き、アリスは紅茶の用意を始めた。お菓子は出しっぱなしになっている。アリスは準備を終え上海人形を撫でる、そして前を見る。アリスは太陽の光を少し眩しそうにしている。
「おや、僕の故郷の茶はお嫌い?」
向かい側に座った男が言う。アリスは椅子に座り直して人形に何か合図する。人形達は向こうに飛んでいった。
「嫌いでは無いわ、ただ少し苦いわね」
アリスは言う、だが少し笑っている。男はそうかそうかと笑って紅茶を飲む。そして少し飲んで机の上に置く。そして横のお菓子を食べた。アリスは本を読んでいる。男は眼鏡の位置を直し、立ち上がる。
「何処に行くの?レイ…あなた」
アリスが尋ねる。レイは左手の中指の指輪を第二関節の下まで降ろす。そして右手で指輪を撫でる。
「トイレだよ、アリス」
レイは笑って言って。走り去っていった。アリスは見届けた後本を横に置き上海人形を見る。上海人形もアリスを見つめていた。二人は顔を合わせて、笑った。
この作品は長くなりそうな予感が