ニッスイさん
新キャラ
ニッスイさん:すぐスタミナ切れるけど、すぐに復活する。全体的に白い。
休日の午後。
特に何をするでもなく、テレビを見てるのだが――
机の上の人影が一つ増えていた。
……嫌な予感がする。
「お待たせしました先輩方!」
「あー。ニッスイちゃん。久しぶりー」
「出たー! 箱入り娘だー!」
女三人寄れば姦しいという諺があるが……。
どうやら、電池も例外ではないらしい。
何だろう。電圧が増すのだろうか。
……直列繋ぎか?
「略さないで下さい! 変なアダ名を付けないで下さい!
私にはニッケル水素という素晴らしい名前があるのですから!」
「長いんだよ、その名前」
「ニッケル・カドミウムさんが、ニッカドさんで通ってるんだからいいじゃない」
なにやら親戚もいるらしい。
……テレビの音が聞こえないから、そろそろ静かにしてほしいんだが。
「そう言われると、困るんですが……」
「で、今日はどうしたんだよ」
こいつら、まだ話を続けるつもりなのか。
……並列繋ぎか?
「先日は、アルカリ先輩が哀れな方法で延命されてたようでしたので――」
チラチラとニッスイがこちらを見てくる。
充電式の自分ならばその必要がない――
ということを言いたいのだろう。
電池も使われなければ意味がない。
置きっぱなしにされるのが嫌で、自己アピールのチャンスに飛びついた。
つまりは、そういうことらしい。
「あー……」
確かに、充電池なんてしばらく使ってなかった気がする。
見た感じ、残りの電力も少ない様だ。
使うにしても、まずは充電しないと始まらないだろう。
「……ちょっと待ってろ。充電器探してくる」
仕方ないので、探してやることにした。
「はいっ!」
よっぽど嬉しかったのだろう。
大きな声で返事をするニッスイ。
期待されていると感じただけに――
結構必死になって探したのは秘密だ。
「あー疲れた。これだよな?」
ニ十分後。
ドンっと箱式の充電器を置いてやる。
「で、出た……。コールドスリープ装置……」
「変な名前を付けるのはやめて下さい!」
「アルカリが使ったら、確かに二度と目が覚めなくなるかもね。またお漏らししちゃって」
「お漏らしって呼び方やめろって言っただろ!」
「……私のベッド。汚さないでくださいね」
ニッスイのアルカリを見る目が、軽蔑のそれに変わっていた。
「――まぁ、なんにせよ! 私が出てきた以上、先輩たちの出番はないですから!」
勢いよく充電器に入り、その扉を閉める。
そしてニッスイが目を閉じると――
充電開始を示す赤いランプが付いた。
「満タンまで充電するのに、だいたい二十四時間ぐらいだっけか」
充電器の裏側を見ながら確認する。
「それじゃあ、ゆっくり待ちましょうか」
「だなぁ。テレビの続きでも観ますかー」
――――
「……おかしい」
一日経ち、二日経っても――
一向に目覚める様子がない。
「いつまで経っても、充電が終わらないんだが……」
「充電器が壊れてるのか、電池自体に限界がきてるのか――」
「……何度も充電していて、どんどん時間がかかるようになったから仕舞ったんじゃなかったっけ?」
「あ、あ゛ー……」
その後、目を覚ましたニッスイの姿を見た者はいない――・・・・・・?
新キャラ出ました。
……新キャラ消えました。
いや、大丈夫……。
きっと、新しいのを買えば出てくるはず……!