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たんさん!  作者: Win-CL
2/6

たんいち!

「…………」


「やっぱりさぁ。時代が私たちに追いついてないっていうのかな。

 『そんな狭い枠の中でやってられるか!』みたいな感じしない?」


「あーするする。私たちのポテンシャルを活かしきれてない、みたいな」


 机の上で、マンガンとアルカリが駄弁っていた。

 最近、まったく働こうとしない。


 ……反抗期が始まったのだろうか。

 おのれ、電池風情が。


 この謎の反抗期のおかげで――

 我が家の電池を使った機器が、殆ど機能していなかった。


 時計だとか、シェーバーはまぁ良しとしよう。

 しかし、問題はリモコン類である。


 テレビは、主電源を押せばいいだけなので大丈夫だが――


「エアコンが使えないのは痛いな……」


 暖房をつけていないと、この時期はまだ寒い。特に朝が。

 何とかやる気を出してもらわないと、非常に生活し辛い。


 どうしたものかと、頭を悩ませていると――


「……ん?」


 二人の外見が変わっていることに気が付いた。


 なんというか――


「なぁ、お前ら……」


「……なんです?」

「残念ですけど、期待に沿えるような返事は――」


「最近太っt――」


「!!」


 二人がビクリと肩を震わせる。

 非常に分かりやすい。


「太って――」


「あー! あー! あー!」

「聞こえない聞こえない!」


 しかも露骨に遮ってくる。

 慌ててリモコンやヘッドホンの中に隠れようとする。


 ――が、上手く入れていない。

 見ていると、可哀そうになってくる。


「太ったんだろお前らぁ!」


 絶対にそうだ。

 道理で懐中電灯だとか、ガスコンロだとか――

 滅多に使わないものから出てくると思った。


「どうするんだよ! これだと作品のタイトルが変わるだろうが!」


「連載第二話にして!?」

「そうだよ!! というか、もうサブタイトルが変わってるぞ!」


 …………


「……失礼な! まだ単二ぐらいだし!」


「やっぱり太ってんじゃねぇかあああぁぁぁぁぁぁ!」


 しかも、一番使い道に困るやつだ。

 まだ単一の方が使い勝手がいい。


「次回から! 『たんいち!』始まります!」

「ご期待ください!」


「始まるかぁ!」


 それから数日間、寒さに震えるなかで。

 全力でダイエットさせたのは言うまでもない。


単三から単二、単一になるから太ったって表現にしたけど……。

電池の膨張って普通にやばいよね。

電池は用法、用量を守って正しくお使いください。

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