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世界を繋ぐお仕事 〜縁切り結び編〜  作者: na-ho
いせかいかんこうりゅうのはじめ
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53 掲示板

 ◯ 53 掲示板


 夢縁のグラスグリーンとスカイブルーのブレザーを着た者で、興味のある人向けに異世界短期留学が決定した。視野を広める為の取り組みだ。

 希望者のみの修学、研修旅行も用意して準備を整えた。テストで振り分けがあるけど希望者はただでテストを受けれるし、なんたって夢縁からいきなりの異世界旅行に留学だ。今までに無い画期的な取り組みだと思う。

 僕と雨森姉妹とメレディーナさんに広報の人が揃って話し合いをし、パンフレットに紹介ビデオも作った。


「それで、この説明は入れた方が良いと思うんです。多分戸惑うと思うので……」


 日本との違いをあらかじめビデオやパンフレットの説明に入れておく事で、混乱を招かないようにする意味で色々と意見を聞かれた。


「成る程ね。私達には常識だけど他は違うものね」


『アストリュー世界は日本とは違って神界と人界には別れていません……違いに戸惑うかもしれませんが、体感すればすぐに分かっていただけると思います。異世界を過ごされるにあったっての細かい説明はパンフレットに書かれていますので是非読んで検討して下さい』


 ビデオの中でナレーションが入っているのを確認して頷いた。


「聖域と神域は参加者には案内は無いし、神殿の中はうろちょろしたら罰が下り、こっちでの法で捌かれると、しっかりと赤文字で入れてあるから馬鹿をしないと思うのだけど……」


 怜佳さんが学生向けのパンフレットと睨めっこをしている。


「目的も入れた方が良いんじゃない? 日本の神界との交流発展、友好を深める為の良心的な試みな訳だし」


 レイが旅行での恥はかき捨て的な、浅はかな行動を防止する為の作を考えている。


「日本の若者の代表として見られるという一文を入れておくわ」


 董佳様も真剣にパンフレットに向き合っている。


「親日家が多い事も入れておきましょうか?」


「温泉街ね?」


「元、日本人がやってるとあれば、こっちに来たがる人も増えるわ。魔法という文化の違いと、気を扱うレベルが違うのはこっちでの体験での楽しみに取っておきたいわね」


「日常に魔法を使っている住民に、常に身近にある癒しの力と浄化を肌で感じれば交流も盛んになるわ」


 怜佳さんもそれを期待しているみたいだ。紅茶を一口飲んで心配そうに怜佳さんはまた口を開いた。


「ただ、気分が悪くなる職員、生徒が多いようなら、残念としか言えないけど……」


「その心配は今からしない方が良いわ、怜佳お姉様。長い目で見て行きましょう」


「そうね。……後は留学先の神殿横の教育施設ね」


 ここには神殿の見習いの神官や巫女が多く学んでいる。その中に混じってこっちでの魔術や魔法、癒しの魔法やら治療に訓練を実際に一緒に学べる。


「三ヶ月から半年という区切りだし、違いを見るには調度いいはずね」


 最初の三日はこっちでの挨拶や常識、一般の人の服装や料理、習慣を軽く見てまわるところからスタートだ。修学旅行は一週間の予定で、水の星という事で海での宿泊まで用意されている。色鮮やかな人魚の姿にきっと驚くと思う。

 サーフィンやヨットなどのマリンスポーツもあるし、こっちならではの魔術の遊びも盛りだくさんだ。

 神界入り出来ればこんな場所にも来れるという目標にもなるし、神界警察の保養所にも既になっている。


「留学は警察関係者と職員も対象だし、ちょっと学生には厳しい条件ね」


「でも、初めての異世界ならここは安全だし、変な人はここには長く留まれないから……」


 僕がそう言うと、雨森姉妹も少し考えていた。


「……そうね、それは大きいわね。半年間、ここにいられるなら給料アップか、昇級を考えるべきね」


「学生で半年間いられたなら……良いわ、神界入りの許可を与えるわ。他でも活躍出来るでしょう」


 僕は留学の必要は無いので試験は受けなくても良い。何故かこの留学、旅行で来た者がアストリューで罪を犯した場合はガリェンツリー、みかん界での強制労働になるのが決まっている。界が違っているのに何故……。いや、気にしないでおこう。罰は厳しくが雨森姉妹の意向だ。きっと何かの取引があったに違いない。


 準備が出来たので早速、学食横のサークルや、クラブの人員募集するボードの隣にある、夢縁のお知らせ、イベントなどの説明の場所に大きく異世界旅行、短期留学の参加テスト者募集の張り出しがされた。

 神界警察の保養所として正式登録されている場所でこの度、交友を深める試みとして夢縁の学生の渡航が許可されたと書かれていた。


「なんだよ! すげぇ!!」


「異世界旅行?!」


「うそ!?」


「良いのかっ!!」


 皆それぞれ叫んでいる。


「これはっ!! 全員集合だっ!! チャンスだ〜!」


 最後の叫びは知っている声だった。振り返れば木尾先輩が、ものすごい早さでメールを打ち込んでいた。


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