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世界を繋ぐお仕事 〜縁切り結び編〜  作者: na-ho
あいどるたんじょう(仮)
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48 結界

 ◯ 48 結界


 吸血ワームの死体は拾い終えたので、休憩とお昼をかねてシート型結界装置を出して皆で座った。


「この結界は魔物が避けて行くが、どうなっている?」


 ルルさんが興味を持ったらしくて聞いてくるが、僕も良く分かっていないので答えられなかった。


「ち、勉強不足だぞ、見習い!」


「う……」


 確か魔物の意識に働きかけて何もないと興味をそらせるとか、そんな事を言われた様な気がする。気配を消す効果と魔法防護と物理防護がついていたと思うけど、それをどう組み合わせてこんな結界になっているのかなんて分からない。取り敢えず分かっている事を言っておこう。


「奥の方の魔物には効かない場合もあるから気をつけた方が良いよ? 絶対じゃないから」


「その説明は冒険者組合でされている」


 白目で見られてしまった。反論出来ない……。


「アキに分からないくらい複雑なんだな?」


 シュウがそんな確認をしてきた。


「それで分かった気がする」


 祐志がその質問で納得したらしい。

 く……。マシュさんは僕の闇のベールの機能はこんな感じになると予想していたらしい。が、意外にも亜空間使用の高度な業が使われて予想が外れたと言っていた。死神のマントもマシュさんが考えた方法が一番多いみたいだ。まあ、僕の場合は自前結界があると言う事だ。


「結界を作り出す人はこの世界では少ないようなので、神界がお手本としてこの装置の貸し出しを始めたのです。出来れば自分達で作れるようになれば良いのですが」


 チャーリーがそんな事を皆に話した。配ってくれてたお昼ご飯のサンドイッチをかじりながらそうだったんだと感心した。


「結界の作れる人が少ないって言うのは何処で調べた?」


 ルルさんがそんな事に興味を持ったらしい。


「力を奪う人間が貴重だと言っていました」


 チャーリーが答えた。


「何千年と見てきた人が言うならそうだね」


 情報源が誰か分かった。


「前に捕まえてた貴族か?」


 ルルさんも気が付いたのか嫌そうな顔だ。奴隷にした人達の力を奪い続けていた、というのを聞いているからだろう。


「珍しい力を奪い続けていたのか?」


「そうです。たんまり溜めて、悪神やら邪神でも食べかねないくらいに育ってたようです。魂が破裂しかねない程にはなっていたので、その時はどちらも助からなかったでしょうが……よくない事です」


 レイが言うにはあれ以上になったら、街ごと消滅する程のエネルギーとして破裂しかねなかったと言っていたので、良い機会だからまとめて管理すると決めたと言っていた。今はガス抜きをさせているので幾分かましになったみたいだけど。

 悪神達もあれに手を出す事の恐ろしさを感じ取っていたに違いない。マリーさんですら近寄りたくないわ〜と言っていたのだし。コピー能力を持っている生まれてなかった方は、母親と一緒に収容施設で大人しくしているみたいだった。こちらも前の神の力である魂の移動をさせる能力を回収済みと聞いている。

 四ヶ月前に復讐鬼に寄って命を奪われてから、すぐに自分の力を使ってお腹の中の体に入って隠れたのだとか。

 自分達で体を用意する事は出来ない為にそんな風にして転生を果たしていたらしい。一族の体はスキルなどの力が発現しやすい様に長年掛けて転生術で改造しているみたいで、他の血族以外には生まれ変わると力が使えないみたいだ。結構穴だらけの術だと思うけど、人の身でやろうと思ったらそんなものかもしれない。

 転生というよりは乗っ取りだけど……。そんな風にずっと一族の体を使って乗っ取りを続けていたみたいだ。あれでは上手く力は使えないでいたに違いないとマシュさんは言っていた。力を収集家のようにただ集めて満足していたみたいだ。

 悪神となると、乗っ取った人の魂を取り込んだり追い出したりは出来るので、悪神に近い悪霊的な者というべきだろうか。

 奪ったり、模倣した力だから正確には彼らの本当の力ではなく、かりそめの力として魂には刻まれずに、次に冥界から正式に生まれ変わる時には流れ落ちるのだそうだ。

 つまり、本来なら彼らは赤ん坊で生まれてくる時には力は殆ど持ってないはずなのだ。だから無理にこんな訳の分からない転生術が生まれたという事だ。力を手放せずに起こした事は周りには残酷さを与えてただけだ。


「飯も食ったし、進むぞ」


 クーノスさんが食後のストレッチを済まして振り返った。皆は頷いた。その後、夕方近くまで狩りと採取を続けて今回の視察は終了した。


「さて、アッキの仕事も終ったし、俺様の素晴らしさを認めさせねぇとな!」


「何かするの?」


「ライブだろ?! 決まってるじゃないか!」


「そっか、この世界も征服する気なんだね?」


「当然だろ? 俺様に跪くが良いぞ!」


「何をふざけた事いっている! 我がそのような事をすると思うのか。笑止だ」


 ルルさんは喧嘩を売られたと思っているみたいだ。


「ルルさん。ポースは歌手だから、そういう意味じゃないよ」


「喧嘩じゃないのか?」


 ポース語の説明を聞いて気が抜けたみたいだ。ちょっと間抜けな顔が覗いた。


「違うよ。第五フィールドが良いと思うよ。あそこなら紀夜媛も出せるし」


 場所の提案をしたら全員が頷いたので向かう事になった。


「良っし、会場はそこだ!! 全員耳を揃えて待ってろよ」


 良く分からない決め言葉をポースが吐いている。どこで覚えるんだろう?

 僕達は転移装置で冒険者組合に戻り、報告と素材売りもそこそこに第五フィールドに向かって進んだ。


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