プロローグ
ページを開いて下さってありがとうございます。続き物シリーズなので、初めての方は最初の非日常編から読まないと分からない仕様になっています。主人公の成長の跡が見れるかもしれません。時々退行してますが、そこは軽く見逃して下さい〜。
◯ プロローグ
メレディーナはフウと溜息を付いた。
アキが管理神として出ている間は紫月が神殿で祈りを始めたのは、何かあったのだろうかと思いながらもまだ聞けずにいた。
「無理にやらなくても良いのですよ?」
紫月に向かってメレディーナは尋ねてみた。
「アキが、お仕事してる。ボクもやるよ!」
「まあ、そうなんですね。でも、紫月さんはちゃんと聖域のお仕事をされてるから、それ以上は望んでませんよ?」
「水が綺麗になるのは好きだよ?」
「まあ、興味がおありですのね?」
アキがやっているから自分もやってみたいのだろうと、メレディーナは推察して微笑ましく思った。
「うん。アキの力が入ってると美味しいから。あ、そ、それに霊力?」
美味しいのところで顔を赤らめて可愛らしく恥じらった姿を見て、メレディーナはその愛らしさに抱きしめたくなった。
あら、可愛い。羞恥心が芽生えておいでのようね。そんなところはアキさんに似たようで嬉しいわ、と内心母の様な事を考えつつ、何か真剣に考えている紫月を見た。
まだ言葉のバリエーションが無いせいで、うんうん唸って考えている姿が可愛くて癒される。
「霊力はそうですね、光と水に込められた力の大元になるのです。祈りの力で悪用出来なくなり、浄化を願えば浄化の力に、癒しを願えば癒しの力にと使うものの意志に反応し易くなるのです。ここの誰もが癒しの力を持つのはこの水のせいでもあります。アキさんのお力は特にその力を高めておいでです。複数の効果を乗せ易くなったのはアキさんのお力のせいでしょう」
「そう、水と近くなった。仲良しだよ」
紫月がそんな風に感じた事を伝えてきた。
「そうです。それはとても喜ばしい事なのですよ」
メレディーナもそれに答えて綺麗に微笑んだ。
料理がおいしく出来上がるのも、植物が良く育つのもこの霊力の入った水のおかげだ。紫月が美味しいと感じるのも無理は無い。アキさんがそのように願っているのだからとメレディーナは説明をした。
「アキはここの人だよね?」
「もちろんですわ。拠点があるからあのように動けるのです。ここで支えてあげましょうね?」
「うん、分かった」