第2話 エヴァジオンの始まり
僕は今砂漠にいる。
理由はわからない。
起きたらここにいた。
「どうしよう。今日は光羽高校の入学式なのに。
早く家に帰って準備しなくちゃいけないのに。」
こんなことを口走っていたら、これが夢だと気付いた。
おそらくさっきまで夢だと思っていたのが現実で今が夢なんだ。
そうすればつじつまが合う。
僕は緊張のし過ぎで夢と現実がわからなくなってしまったのだろう。
そう思った瞬間、気持ちが楽になった。
とにかく、砂以外に何かあるか探してみることにした。
ずいぶん長いこと歩いた。
まだ夢は醒めないのか。
足が棒のようだ。
どこか休める場所は無いのか探してみた。
しかし、どこもかしこも砂ばかり。
休める場所どころか水も生き物すらいない。
「おかしいな。砂漠にも生き物ぐらいはいるはずだ。
なぜ1匹も見つけることが出来ないんだ?」
この砂漠が不気味に思えてきたが、夢だったことを思い出し、
生き物がいなくてもおかしくないと思った。
あれからどれだけ歩いたのだろうか。
まだ夢は醒めないのか。
少しずつこれが夢ではないという不安が出てきた。
その時、そんな不安が一気に吹っ飛んだ。
建物を見つけた。1つに部屋からなる。
無我夢中で走り続けた。
誰かいるかもしれないという希望とともに。
その部屋の前には看板が立っていた。
「ようこそ!ROOMへ。
ここは砂漠の中心です。」
看板にはそう書かれていた。
息を切らした僕にはそんなことを気にも留めず、とにかく休みたい一心で
その建物に入ることにした。
ドアノブに手をやると鍵がかかってないことに気づき、
キィーと音を鳴らした。
部屋の中には何もなかった。空っぽだった。
「ようこそ。ROOMへ!」
謎の機械音が空っぽの部屋に響いた。
「私の名前はドミナ。この部屋の管理を任された君の支配者だ。」
「この部屋はなんだ。」
僕はドミナとかいうやつに質問した。
「この部屋はROOMと呼ばれる我が主が作られた脱出ゲーム用の部屋だ。
君にはこの部屋で脱出ゲームを行ってもらう。」
「主ってのは誰だ。」
「それは君がこのゲーム、エヴァジオンに勝てば教えよう。」
「負けたらどうなる?」
「もちろん 負け=死 だ。」
ふざけんな。脱出できなきゃ死ぬって?
夢にしちゃリアルすぎる。
「なあ、これは夢なのか?」
「そんなわけないじゃないか。ここは正真正銘現実だよ。」
どういうことだ?急に砂漠にきて脱出ゲームをしろって?
「面白い。やってやろうじゃねーか。」
「もともと君に拒否権はなかったよ。
では、始めようではないか。我が主のためエヴァジオンを。
新キャラクタードミナについてはブログで紹介するつもりです。