プロローグ
ここに出てくる「自分」は主人公ではありません。
主人公は次話から出てきます。
「ここはどこ?」
「私は誰?」
自分はそんな状況に置かれている。
だけれど自分は決して記憶喪失ではない。だから「私は誰?」は間違っている。
ただ自分のことを覚えている必要がないと脳が感じるくらい長いこと砂漠を歩いている。
長いことと言ったがもしかしたら、まだ1時間も経っていないかもしれない。
何十年もたっているかもしれない。
ここにきてどれくらいの時間が経ったのかわからない。
とにかく、歩いていることには間違いはない。そのはずだ。
しかし目の前に広がるのは砂漠。人も動物も植物も建物も何もない。あるのは砂だけ。
絶望の中、1つの建物を見つけた。さっきまでの自分とは思えないぐらい速く走れた。
その建物はどうやら1つの部屋でできているようだ。
その部屋の前に看板が置かれていた。
「ようこそ!ROOMへ。
ここは砂漠の中心です。」
そうか、ここは砂漠の真ん中か。
もし、自分が逆方向に歩いていたら、砂漠から出れたかもしれなかった、と後悔した。
とにかく、疲れたからここで休もう。人がいるかもしれない。
「すみませ~ん」
返事はない。
「誰かいませんか~」
誰もいないようだ。
人が住んでいた形跡はあるから、助けを呼ぶ手段はあるはずだ。
困ったな。見つかったのは1枚の紙と変な形をしたペン。これじゃ助けを呼べない。
また、絶望に陥った。
どうせ死ぬんだ。もし、誰かがここに来た時のためにメッセージを残そう。
すると、ペンが紙に触れた瞬間、周りが明りに包まれた。
驚いたことに真っ白だった紙に文字が書かれていた。
自分はそれに書いてあった通りに行動した。
「さあ、準備は整った。この部屋から生還できる者はいるのだろうか。
では、始めよう。我が主のため、エヴァジオンを。」
すると、誰かがドアをコンコンとノックした。
「挑戦者が来たようだ。」
初投稿です。よろしくお願いします。