河原に置いてあったダンボールには?
この物語の主人公である小学校四年生の少年は考え込んでいた。なぜなら宿題で『将来の夢について』というプリントをもらったから。
「う――――ん、将来の夢かぁ……」
学校から家に行くまでの帰り道、川原の草原で知っている職業を頭に思い浮かべながら思い悩んでいた。
「うーん、何がいいんだろ……警察官・消防士……」
他にも憧れの仕事を思い浮かべた。今なら俳優にでもなれれば、可能性があるのもいいなとは思う。
「悪役から皆を守るヒーローもいいなあ。格好いいよね!!」
考えるのが面倒くさくなってきて宿題のプリントだという事実から目をそらして紙ヒコーキをこのプリントで作って飛ばした。
「も――、ありすぎて決められないよ!! こんなのこうして……こうだっ」
紙飛行機を飛ばした時、土手の方の何かに気付く。
「ん? 何だろうあの箱」
僕がその箱を気にしていると、箱に何か生き物が入っているのか物音がした。
「!! 動いた!! もしかして捨て猫かな!?」
興味を持ったのでどこかワクワクしながら僕は川原の草原の斜面から滑り降りて物音がしている箱を開ける。開けた所、微妙に毛並みがリーゼントでサングラスをかけている(!?)猫らしき生物が顔をのぞかせた。
「うわあああ」
僕はあせって尻もちをつく。
(す……捨て猫……?)
猫のはずなのに話せている(?)とかあって呆然としてしまう。
「ん――――? 誰だ、俺の睡眠を邪魔するのは。俺はこの川辺に住む猫崎だ」
眠そうにしているこの猫崎という猫が尻餅をついたままの僕に尋ねてきた。
「……お前、名前は?」
「よ……洋介」
猫崎がダルそうに注意してくる。
「ったく洋介!! 人の睡眠妨害したらだめだろう」
洋介は彼が何故かサングラスをつけている理由が気になって、注意は聞き流してそれを取ってみた。
「まぁ、俺は心が広いから許してやるけど……」
すると、恐モテの顔に似合わない猫らしい目だったので意外だと思う。
「何してんのよ!! えっち!!」
それでどうしてそんな気持ちになったか謎だが、恥ずかしがった猫崎がリーゼントっぽい毛を伸ばして僕の顔面にぶつけてくる。それ、伸びてくるなんて思わなかった。
「意外と可愛い目だった」
僕はズキズキと痛む顔(主に鼻付近、鼻血が出なくて良かった)を抑えながら、どういう訳か正座して少しイラだっている感じの猫崎に質問する。
「猫崎さんはここに住んでるの? 何で?」
「あぁ……、決まってんだろ」
バックに猫崎さんには不釣り合いな花が咲いているのが見えた気がした。きっと幻覚《思い込み》なんだろうけど。




