カムデビ 3話目
「寿命縮むの嫌だけど、じゃあ一個だけお願いしてやるよ。そうだな……可愛い彼女を作ってっていうのは?」
この悪魔な少年が可哀想になったので悪魔の実力ならそれくらい出来るだろうと妥協した願いを叶えてもらおうとする。
「う……それには寿命が三百年必要……お前の命じゃ全然足らない」
この悪魔な少年が無念そうにがっくり肩を落とした。俺は「え――――――――――っっ」と思ったし、願いを叶えるより彼女を作る方が寿命を使うとか、これからの人生、女性との出会いさえないんじゃないかと思ってしまった。
「これも苦手なのかよ!」
期待に応えるためか、悪魔の少年(?)が俺にとって予想外のことにほっぺたを朱に染めてアピールしてくる。
「あっ、そうだ。私が彼女になってやろう。それなら十年くらいで」
「お前、女だったのかよ!?」
少年にしては少し声の高いハスキー声、服装も年頃の少女なら着そうなオシャレな格好じゃなかったので俺は今この瞬間に気付かされた」
「クーリングオフ」
俺は胸に腕を交差させて遠慮のジェスチャーを女悪魔にした。別に嫌いなタイプではないが寿命を減らしてまで叶えたい願いではない。
「はやっ」
余談だがこのあとも俺は女悪魔に小さな奇跡っぽいことを叶えてもらおうとしたが、結局何の願いも叶えられずに悪魔は帰った。
イラストを入れるかもしれないから最後は短いんだったよこの作品