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樹の下で本を読む少女が読んでいた本
本を読み終えた彼女はうっとりした表情で本をしまう。
その表情もなんでしょう、見惚れてしまいます。
「で、あんた誰?」
先ほどの表情と違いなんでしょう、
口調が強く、
表情も先ほどとちがい、
だるそうな表情をしています。
あれ?先ほど樹の下で本を読む文学少女のイメージからかけ離れているんですが。
「ちょっと、話しかけてきたのはそっちでしょう。なんなのよ」
「あ、ごめんなさい。本を読んでいる貴方がその……絵になっていたので何を読んでいるのかな~と思って話しかけてしまいました。考えてみたら読書中に話しかけてごめんなさい」
そうよね、読書をしている人に話しかけちゃダメだよね普通。
「ああ、いいよ別に、ちょうど終わったから」
「そうですか」
「で、私がなにを読んでいたか気になったんだよね」
彼女は先ほど読んでいたハードカバーの本をカバンから取り出し私に手渡した。
「はい」
「あ……どうも」
私は渡された本を開いた。
……中身は漫画の本だった。
私はこの漫画を知っている。
ちょうど私が生まれた頃に流行っていた漫画だ。
弟も読んでいてよくマネをしていたな~
彼女が読んでいたのは男性向けの拳法漫画「南斗の拳」だった。




